すっかり暑くなって、レジャーシーズンが到来しました。海や山、バーベキュー、野外で楽しむのに最高の季節ではありますが、うっかり忘れがちなのが“日焼け対策”です。
レジャー自体の準備に夢中で、ついつい日焼け対策が曖昧に。いざ現場に行ってみるとジリジリと焼けるように日差しが暑い…!準備してきた日焼け対策では不十分だった、なんてこともあります。気が付いた時にはもう遅く、肌がヒリヒリ痛く、ピンクになってしまったり、ひどい場合には皮がむけてしまったり。
そんな“うっかり日焼け”をしてしまったら、一体どうしたらよいのでしょう。本記事では、日焼けしてしまったその後、どのように応急処置をすればひどくならないのかをご紹介していきます。また、記事後半では、赤ちゃんにとっての危険な日焼けリスクについてもご紹介していきますので、是非ご覧になって頂ければ幸いです。
うっかり日焼け対処法・軽傷版
ヒリヒリ日焼けはまず冷やす!
ヒリヒリとするピンクの日焼けをまずどうすべきか、まずはとにかく『冷やす』ことです。日焼けは構造上は火傷と一緒なので、対処法は基本時に同じです。できれば冷たい流水で冷やすことが望ましいです。濡れタオルを乗せることも効果的ですが、患部をこすったりするのはNG。濡れタオルが熱を持ったらこまめに交換してください。
日焼けの範囲が大きい場合は冷たいお風呂に入って冷やすことができますが、この際にはお腹を冷やし過ぎないように気を付けてください。
日焼けの後に冷やすのは、早ければ早いほどダメージが少なく済みます。なるべく早めに冷やすよう心がけましょう。
また、ついつい急いで冷やしたいがために氷などを使おうと思うこともあるかと思いますが、あまりにも冷たくしてしまうと今度は凍傷になるおそれも。衛生面・凍傷の危険性のことを考えると流水が理想的です。
皮がむけていないなら保湿
皮がむけてない場合は、冷やして痛みがおさまった後に保湿を行います。保湿成分の入った化粧水で、ダメージを受けた皮膚へと水分補給をします。その際は化粧水をたっぷり使ったあと、クリームを塗って毛穴にフタをして水分の蒸発を防ぎます。
化粧水やクリームを使うときには、絶対に強くゴシゴシこすらないようにしてください。日焼けによってダメージがあるお肌ですので、優しく丁寧に、刺激のないように塗りましょう。
使用する化粧水については、低刺激のものが望ましいです。敏感肌向け・赤ちゃんにも使えるような化粧水が理想的です。
重症でなければ処置はカンタン♪
ヒリヒリしてピンクになっているぐらいでしたら、処置はホームケアで十分です。端的に言えば、『冷やす』→『保湿』、それだけです。傷んた皮膚に負荷をかけないように行う必要はありますが、応急処置の内容はシンプルです。
とはいえ、その処置は早く行った方がひどくならないので、丁寧にきちんと行うことが大切です。
次項では、日焼けがひどい場合の対処法についてご紹介していきます。
うっかり日焼け対処法・重症版
もし水ぶくれができたり皮がむけてしまったら…
ヒリヒリ程度の痛みで済まず、皮がむけてしまったり、水ぶくれができてしまった場合。これは重症の日焼けとして対処する必要があります。
最初の対処としては軽傷の時と同じで、まず冷やすことです。皮を自分でむかないこと、水ぶくれは絶対につぶさないことがポイントです。いじって潰してしまうと、一生痕が残ることもありますので注意してください。流水で優しく冷やすのがオススメです。
基本的に患部を流水で流すのは問題ないですが、せっけんなどをつけて洗うのはNGです。また、症状がひどい場合は痛みがあることと思いますので、無理に保湿するのも難しいです。
できるだけ早く皮膚科を受診する
日焼けが重症化している場合は必ず皮膚科へいって診察をしてもらってください。
放置しておくと細菌が繁殖して感染症にかかったり、水ぶくれが潰れたり悪化したり、一生残る傷となってしまう可能性も。
なかなか多忙で皮膚科に行けないということもあるかと思いますが、取り返しのつかないことになる前に早めの受診をオススメします。
水ぶくれを潰してはいけない理由
水ぶくれが破れた状態というのは、皮膚のバリアが壊れていると言えます。そのままにしておくと細菌感染しやすく、中が膿んでしまうことも。膿んでしまうとほぼ確実に痕が残ってしまいます。
そのようなトラブルを起こさないためにも、水ぶくれは潰さずに放置して完治を待つことが理想的です。2週間ほどで水ぶくれの下に新しい皮膚ができ、水ぶくれ自体も皮膚に吸収されて治っていきます。
アロエやきゅうりパックなどの療法は避けて!
よく、火傷がひどいときにきゅうりパックをしたり、アロエを塗ったり、とにかく持っている軟膏を塗ったりなど、重症のときに自己判断で素人療法を行って悪化してしまうことがあります。
日焼けのような急性炎症がおきているときに、野菜やアロエなどの刺激物をつけることで、より一層悪化してしまいます。
どんな日焼けでもまずは清潔さに気を付けて冷やすこと、そして重症時はそれ以上のことをせず急いで皮膚科を受診するということが大切です。
赤ちゃんの日焼けについての考察
赤ちゃんにとって紫外線は譲れない一長一短
日焼け関連ということで、最後に赤ちゃんの日焼けについてお話していきます。
10年ほど前までは、赤ちゃんが日焼けすることについて“健康的でいい”という風潮がありました。現在でも、赤ちゃんには積極的に日光浴を勧めてくる人がいます。でも、赤ちゃんの日光浴は必ずしも良いことだけとは言い切れません。最近では赤ちゃんの日光浴を『外気浴』と名称変更するという母子手帳への変化も見られます。
現在では、赤ちゃんにとって『外気浴は必要なこと』だけど、『日焼けは良いことではない』という考え方が主流となってきています。
つまり赤ちゃんの日焼けについてどのようにしたらいいかというと、メリットとデメリットを知って、いいとこどりで適度に外気浴しましょう!ということです。
赤ちゃんが日焼けすると上がるリスク
赤ちゃんが紫外線を浴びすぎて日焼けしてしまうと、以下のリスクが上昇します。
- 皮膚がんの発症率を上げ、発症年齢を下げる傾向にある
- 皮膚の老化が進む
- 白内障の発症率が上がる
柔らかな赤ちゃんの肌や繊細な目は日焼けしやすく、トラブルに見舞われやすいです。外気浴は午後の涼しい時間に済ませることが理想的です。
赤ちゃんが紫外線を浴びるメリット
重要な栄養素であるビタミンDを作る
ビタミンDは骨にカルシウムを取り込む際に必要な栄養素で、不足すると『骨粗鬆症』や骨の変形を引き起こす『くる病』、また『骨軟化症』の原因となります。そして、ミルクにはビタミンDが含まれていますが、母乳にはビタミンDの含有量が非常に少なく、母乳育児の赤ちゃんがビタミンDを取り入れるには毎日日光浴をしないといけない、というのが以前の考え方の主流でした。
確かに母乳にはビタミンDが少ないですが、赤ちゃんには胎児期に蓄えられたビタミンDがあるので、母乳だけで育てているからといって急激に欠乏するようなことはありません。
それでは、赤ちゃんの日焼けとビタミンD欠乏対策について、どのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。
紫外線が害と決めつけて極端になっては×
紫外線の害をおそれるあまり、日当たりが悪く暗い家で育てた母乳育児の赤ちゃんのトラブルが増加し、ビタミンD欠乏による『くる病』が注意喚起されました。
確かに日焼けは皮膚がんの発症を早めたり、白内障の原因になったりと悪い部分もありますが、悪いのは“日焼け”であり、“日光浴そのもの”ではないというのがポイントです。冒頭でもご紹介したように、日焼けは『火傷』です。単純に、赤ちゃんに火傷させてはいけない、ということです。
赤ちゃんのくる病を避けるためにすべきこと
- 日中は光の入る明るい部屋で過ごす
- 日差しの穏やかな午後に赤ちゃんと外気浴を楽しむ
- ママ自身、ビタミンDが欠乏しないよう魚・卵を含むバランスのとれた食生活を心がける
- 適正な時期から離乳食を開始し、魚や卵から直接ビタミンDを摂取できるようにする
決して母乳育児をすることが『くる病』などに直結するわけではありません。また、ビタミンDが豊富という理由でミルクをわざわざ飲ませる必要もありません。上記のことに気を配って、無理のない育児をしましょう。
どうしても赤ちゃんと外出が必要な時の日焼け対策
赤ちゃんを連れて直射日光のなか外出しなければいけない用事もあることでしょう。そんな時にはきちんと日焼け対策をしてあげることが大切です。
以下に代表的な赤ちゃんの日焼け対策を挙げましたので是非参考にしてください。
《赤ちゃんの日焼け対策》
- 長そで・長ズボンを着用し、帽子をかぶせる
紫外線カットをするという目的の場合、色が濃いもののほうが効果を発揮します。白い帽子は紫外線を20%通すというデータがありますが、黒い帽子であれば1%しか通しません。しかし、真っ黒の帽子は熱を吸収し溜めこみますので、時々熱を逃がすように気を付けてあげてください。
- 赤ちゃん用の日焼け止めを塗る
日焼け止めは、大人と同じものではなく、必ず赤ちゃんにも使えるものを選んでください。汗で少しずつ流れてしまいますので、長時間の外出の際には出先で塗り直しましょう。
- 時間を問わない用事なら14時過ぎてから
午前中~14時ぐらいまでは日差しが強く、この時間帯に外を歩きまわると大人でも疲れてしまいます。赤ちゃんがいる場合には時間に気を使って、14時以降に外出するというのが効果的です。
まとめ
軽傷・重症それぞれによる“うっかり日焼け”対策の方法から、赤ちゃんの日焼けに関する考察までをまとめてきましたが、いかがでしたか。
夏になると日光の勢いは増し、うっかり日焼けしてしまうことも増えます。そんなときに慌てないよう、対処の仕方を要点だけでも確認しておくと便利です。
また、赤ちゃんは日焼けに対して敏感・繊細ですので、適度な外気浴を心がけ、日焼けしないようにしてあげることが大切です。
本記事が、暑い夏の助けになれば幸いです。