和漢植物エキスが配合された和漢コスメは肌に優しいにも関わらず、本格的なケアが出来る優秀な製品。ですが、そもそも和漢植物エキスとはどのようなものかご存知でしょうか?今回は和漢植物エキスの効果やおすすめの和漢コスメについてご紹介していきます。
和漢植物のすごい力!
和漢植物ってなに?
和漢植物とは、いわゆる漢方薬などに配合されている生薬のことを指します。
ただ、化粧品においては薬事法により「漢方」「生薬」などの言葉を使用出来ないと定められているため、漢方薬と同様に生薬が配合されていても「和漢植物エキス」と表記されているんですね。
和は日本の和薬、漢は中国の漢薬のこと
ちなみに、和漢の「和」は日本に伝わる和薬を、「漢」は中国に伝わる漢薬を示しています。
中国における漢薬の起源はなんと紀元前3000年頃!
その後西暦415年に新羅の漢方医薬が日本に伝えられ、日本独自の発展を遂げてきました。
現在日本で一般的に流通している和漢生薬数は約150種類、このほかに一般にはあまり流通していないものが100種類ほどあるとされています。
漢方薬においては和漢生薬をそのまま煎じて服用する場合が多いですが、化粧品の場合は概ね和漢植物から有効成分を抽出したエキスの形で使用します。
これが化粧品の成分に表示されている「和漢植物エキス」の正体です。
和漢植物エキスの美容効果
和漢植物は、古くから使用されて先人たちの知恵や伝承が生かされているもの。
ですから、現代にも伝わっているものは本当に美容効果の高いものや人々から愛されて使い続けられてきたものが多いんです。
和漢植物エキスの特徴1.配合で効果が変わる
和漢植物エキスの特徴は、配合の組み合わせにより効果が変わること。
化学成分配合の化粧品のように一葉の効果が発揮されるのではなく、組み合わせ次第で個人個人の体質や肌状態に合わせた配合を作ることも可能なんです。
和漢植物エキスの特徴2.穏やかな効き目で低負担
和漢植物エキスの肌へのアプローチは、化学成分に比べて穏やかとされています。
そのため、効果を実感するまでに時間がかかるというデメリットも。
ですが裏返せば、肌に余計な負担をかけることなく肌本来の力を引き出し、肌トラブルを改善して美肌を築くとも言えます。
和漢植物エキス配合のコスメを使用する場合は一時的な使用にとどめるのではなく、ある程度の期間は継続使用して肌質の改善に繋げましょう。
効果が実感出来るようになれば、和漢植物エキスが肌を本質的にケアし始めている証拠です。
じっくり使用して和漢植物エキスの力を実感するようにしてくださいね。
こんな和漢植物エキスが美容に良い♡
- 敏感肌
- アンチエイジング
- 乾燥肌
- ニキビ
など、さまざまな肌トラブルに良いとされている生薬をご紹介します。
敏感肌には…
- 桜(サクラ)
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桜の樹皮は、日本において解毒や鎮咳、去痰、蕁麻疹などへの民間薬として古くから活用されていました。
また、桜の葉にはイソフラボンやフラボノイドなどが含まれているため、肌荒れの改善、美白作用、抗炎症作用などを期待して化粧品に配合されています。
- 柚子(ユズ)
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ゆずに含まれているユズセラミドは、ヒトの皮膚角質層にあるセラミドに近い構造を有しているため優れた美容効果が期待出来る成分。
セラミドは角質細胞の脂質の約50%を占めているため、乾燥肌や敏感肌向けの和漢コスメにゆずは欠かせない成分とも言われているほどです。
アンチエイジングには…
- 葛根(カッコン)
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葛根湯の主成分として有名な葛根ですが、イソフラボン誘導体を含むため化粧品においては美白作用やSOD作用(Super Oxide Dismutase:活性酵素除去酵素)を期待してアンチエイジング効果を持つ化粧品に多く配合されています。
- 黄金(オウゴン)
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画像元:ichonest.com
オウゴンには、環境ストレス(タバコの煙、排ガス、排煙など)の影響を抑制し、肌の老化を防ぐ効果があります。
また、SOD作用や光加齢防止作用もあるため、アンチエイジング効果のある化粧品に多く配合されています。
加えて、美白作用や抗炎症作用も期待出来る優秀な生薬です。
- 天人花(テンニンカ)
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天人花という常緑低木の果実から抽出されるエキスを使用します。
果実は甘く、生で食べられるだけではなくジュースやジャムなどの原料として用いられることがあります。
化粧品に配合した場合は、肌環境を整えてくすみのない肌に導くだけではなく、他の和漢成分の効果をサポートする働くも持ちます。
乾燥肌には…
- 茴香(ウイキョウ)
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ウイキョウは香辛料としてリキュールやカレー、ソースなどの食用にも使用されている生薬ですが、漢方薬では胃弱や便秘、腸痙攣、下痢などの改善効果を期待して処方されています。
化粧品に使用される場合は、保湿剤として高い効果を持つほか、紫外線によるDNA損傷修復を促進して健康な肌へ導くサポートをしてくれます。
- 高麗人参(コウライニンジン)
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画像元:高麗美容サプリ.com
高麗人参は漢方薬においても高貴植物として滋養強壮などを目的に珍重されている成分ですので、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
化粧品に高麗人参を用いた場合は、高い肌のターンオーバー促進効果と乾燥を予防する効果があるとされています。
- 銭葵(ゼニアオイ)
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ヨーロッパ南部や温帯アジアを原産とする植物です。
日本には1699年頃に伝わったとされており、数ある和漢植物の中でも高い保湿効果があるとして乾燥肌向けの化粧品によく用いられています。
- 当帰(トウキ)
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画像元:kamponavi.com
不妊症や月経トラブルなどの女性特有の疾患に用いられる漢方「当帰芍薬湯」の主成分である当帰。
漢方薬に用いられるだけではなく、高い保湿効果を持つことから入浴剤などにもよく使用されています。
化粧品に用いられる場合は、保湿成分として化粧水や乳液だけではなく、BBクリームやバウダー、石鹸などにも使用されます。
- 白蘞(ビャクレン)
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画像元:1easeshop.com
ビャクレンとは、もともとウリ科スズメウリ属のメロスリアという植物の根のことを言います。
中国では古くから美肌効果があるとして女性に愛されてきた成分で、高い保湿効果を持つアミノ酸(アルギニン)や糖類を豊富に含む生薬です。
肌に潤いを与え、透明感のある肌を引き出すと言われています。
ニキビには…
- 紫蘇(シソ)
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画像元:kampoguide.com
お料理に加える印象の強いシソですが、シソは古来から体力低下時の風邪症状や精神症状、咽頭部の異常を抑えるなどの様々な漢方薬の処方に用いられてきた生薬。
また、栄養面でもカロチン、ビタミン類、カルシウム、鉄、アミノ酸などを豊富に含んでいます。
殺菌効果や防腐効果も高いため、化粧品においては炎症改善やアレルギー改善などの効果を期待して配合されます。
- 紫根(シコン)
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画像元:staff-blog.com
紫根は古来から染料として利用されてきた生薬ですが、漢方においては解熱や解毒剤、また皮膚外用剤であある紫雲膏に活用されています。
化粧品の場合は、色素として利用されるケースが多いですが、紫外線防御作用や抗菌作用なども期待して配合されます。
- 蓼藍(タデアイ)
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画像元:epochtimes.jp
タデアイは古来から染料として使用されるとともに、鎮痛や解熱、解毒の目的で薬用にも用いられてきました。
タデアイで染めた布には殺菌力や防虫効果、止血効果があることでも有名です。
タデアイを化粧品に用いた場合は、抗アクネ菌作用によりニキビの予防効果が期待出来るほか、抗炎症作用や抗酸化作用、美白作用もあることが報告されています。
その他こんな和漢植物もおすすめ
- ハトムギ(薏苡仁:ヨクイニン)
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ハトムギ茶でお馴染の成分ですね。
中国やインドシナ原産の一年生植物の種を脱穀せずにエキスを抽出したものをハトムギ、脱穀してエキスを抽出したものをヨクイニンと呼びます。
ハトムギは保湿や肌荒れ防止効果を期待して化粧品にも活用されています。
また、ハトムギの種を発酵してエキスを抽出した場合は、抗酸化作用や肌のセラミド合成をサポートする効果も期待出来るようになります。
さらにハトムギの種子からオイルを抽出して化粧品として使用すると、肌の乾燥を防いで潤いを守り、柔軟性や透明感を肌に与えてくれる効果も。
- リンゴ
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食用のイメージが強いですが、リンゴの果肉から抽出される成分には保湿効果や肌の柔軟性を高める効果が期待出来るだけではなく、肌のターンオーバーを整えてくすみの原因にもなる角質の肥厚化を防ぐ効果も期待出来るとされています。
和漢植物エキスを使ったおすすめコスメ
瑞花露薬用保湿ローション(イクスラ産業)
イクスラ産業といえば、漢方薬の販売を行っていることでも有名ですが、その経験を生かして和漢コスメ(瑞花露シリーズ)も提供しています。
瑞花露シリーズの保湿ローションは天然由来成分である紫根エキスなどにより肌を整えた後、トウキエキスなどにより肌に十分な潤いを与えて肌を健康な状態に保ってくれる効果が期待出来ます。
弱酸性で無着色、無香料のローションですので、普通肌の方はもちろん敏感肌の方も安心して使用出来るのが嬉しいですよね。
イクスラ産業が提供する製品は日本中医薬研究会に加盟する薬局等で購入出来ます。
カガエハーブエッセンス(薬日本堂)
カガエハーブエッセンスは、日本全国に漢方薬局を展開している薬日本堂が提供している和漢コスメ。
化粧品の原料となる生薬にほぼ手を加えず、天然そのままの効果を大切に生産されています。
- トウキ(血行促進)
- 薬用人参(血行促進)
- シャクヤク(血行促進)
- ヨクイニン(美白・保湿)
- ソウハクヒ(紫外線によるダメージの修復)
- オウゴン(肌荒れ予防)
- チンピ(保湿)
の7つの製品ラインナップがあり、自分の肌状態に合わせて使用することが可能。
そのまま使用するだけではなく、現在使用中のスキンケア製品に混ぜて使用することも出来る、汎用性の高いエッセンスオイルです。
ドモホルンリンクル(再春館製薬)
言わずと知れたドモホルンリンクルも和漢成分を使用した化粧品。
漢方の製薬会社である再春館製薬が、原料を厳選し、製法や検品にまでこだわり抜いた逸品がドモホルンリンクルです。
年齢肌対策に特化した化粧品ではありますが、20代の女性からも多くの指示を受けています。
ドモホルンリンクルの製品は「一度ドモホルンリンクルを使い始めたら、もう他の化粧品は使えない」と口コミされることもあるほど。
価格が高めなのがネックではありますが、無料お試しセットも用意されていますので加齢肌が気になり始めたら使用を検討してみても良いかもしれませんね。
まとめ
内服薬にも用いられる天然の生薬を原料にした和漢コスメ。
肌に優しいため乾燥肌や敏感肌の方でも使用しやすいことに加え、機能面でも十分に期待出来る注目の化粧品です。
上手に使えば自分の肌悩みを解消させられますので、自分の肌が必要としている成分が配合された化粧品を選んで、ぜひ使用してみてください。
ただしいくら天然素材であるとはいえ、人によっては肌や体質に合わない場合もあります。
もし肌に異常を感じたら使用を中止するようにしてくださいね。