妊娠中に起こりやすい大人ニキビの対策の為には、正しいケア方法を知っておかなければなりません。妊娠中も出産後も、大人ニキビやニキビ跡で悩みたくないし、美肌で前向きな生活を送りたいですよね。
妊娠によって大人ニキビが起こるメカニズムと、肌荒れの原因、妊娠中のニキビ対策方法について解説していきます。
大人ニキビと思春期ニキビ違い
大人ニキビと思春期ニキビは同じニキビと言う名前がついていますが、実際は全く別物として考えた方が良いです。
できる年齢による違いだけでなく、その原因や対処法、ニキビができる場所にも違いがあります。
それぞれの特徴を知って正しいケアを心掛けましょう。
まずは思春期ニキビについてのおさらい
思春期ニキビは10代から20代前半にできる皮膚炎症で、単にニキビといって連想されるのがこの思春期ニキビです。
顔などにポツポツと赤い出来物ができ、これが炎症を起こしている表れとなります。
成長ホルモンの分泌が活発な思春期では、皮脂の分泌も多くなります。
ここで過剰に皮脂が分泌すると毛穴を詰まらせることになり、詰まった毛穴で雑菌が繁殖してしまうことがニキビの原因です。よく聞くアクネ菌というものですね。
過剰な皮脂分泌が原因ですので、皮脂腺の多いおでこや皮脂の排出が少ない頬や口周りにニキビができ、群発が多いのも特徴です。
ただ、年齢によるホルモンバランスが原因ですので、成長するにしたがって自然と治っていくこともあります。
大人ニキビの原因と症状、発生場所
大人ニキビは20代から40代頃までに発生するニキビです。40代までと言われるのは、40歳を超えると皮脂量が下がってくることが理由ですが、人によっては40代以降も出来る可能性はあります。
大人ニキビができるメカニズムは思春期ニキビど同様に、毛穴が詰まることでアクネ菌が繁殖し炎症を起こすと言うことですが、その原因となると多岐に渡ります。
生活習慣や食習慣、ストレスや睡眠不足、飲酒・喫煙などでホルモンバランスが崩れることが原因になりますし、化粧品によって毛穴が詰まることで引き起こされることもあります。
また、ターンオーバーが不規則になることで、角質が厚くなり毛穴を狭めることが要因となる場合もあります。
様々な原因があるため、発生場所も顔に限定されません。顔の中でも思春期ニキビは出来にくい顎や首周り、または背中などにもできるのが大人ニキビです。
群発ではなく、ぽつっとスポット的に出来る場合もあります。
なぜ妊娠中に大人ニキビができやすくなるのか?
大人ニキビは様々な原因によって引き起こされるものですが、妊娠中に大人ニキビができやすくなる要因について考えてみましょう。
妊娠中に大きく変化するものは、ホルモンバランスと食生活が挙げられます。これらの変化から肌のバランスが崩れてニキビができやすくなる場合があります。
なお、こういった妊娠中の大人ニキビのことを妊娠ニキビと呼ぶこともあります。
妊娠中のホルモンバランス変化と大人ニキビ
妊娠中は女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌が増加します。
本来、ニキビの原因となる皮脂の発生には男性ホルモンの分泌が大きく関係していて、女性ホルモンが多く分泌することはニキビ改善に効果が出る場合もあります。
そのため、妊娠によってニキビが改善した、ということもよく聞きます。
しかし、女性ホルモンの中でもエストロゲンは美肌効果が期待できますが、プロゲステロンは肌荒れを起こしてニキビをできやすくする要因になります。
このことから、ニキビが改善したという声と、悪化した・できやすくなったという声の両方があるわけです。
特に妊娠初期にはプロゲステロンが多くなるので肌荒れが起こりやすく、大人ニキビもできやすくなります。
妊娠中の偏食が原因で大人ニキビができることも
妊娠中の大人ニキビに注意したいのが、食生活の変化による肌荒れです。
これも妊娠初期に多いパターンですが、赤ちゃんができると食事の量が増えたり、好みが変化することは珍しくありません。
食べるもの、食べたいものが偏ってくる、いわゆる偏食が起こることもしばしばです。
インスタント食品やお菓子類、アイスクリームなど塩分・糖分・脂質の多い食品で偏食が起こると、栄養価が偏り肌荒れを起こし、ニキビの原因となってしまいます。
妊娠中の大人ニキビの正しいケアと予防
妊娠中とはいえ大人ニキビができてしまうとがっかりしてしまいますね。どうしたら大人ニキビを改善できるのでしょうか。
大人ニキビを改善するには、やはり健康的な生活を心掛けることです。これは改善方法でもあり予防方法でもあります。さらには、妊娠中の健康を考えるのは赤ちゃんの成長にとっても好都合です。
間違ったケア方法ではかえって悪化させたり、母体や赤ちゃんに悪影響がある場合もあります。
妊娠中の大人ニキビの正しいケア方法について紹介します。
予防・ケア方法その1. 妊娠中に自己判断で薬を使わない
妊娠中の大人ニキビのケアとして一番注意したいのが、薬の使用です。妊娠中はお腹の赤ちゃんへの影響もあり、外用薬であれ内服薬であれ、使用できる薬は限られてきます。
ニキビケアや皮膚炎に効果があるステロイド系の薬も妊娠中には刺激が強すぎます。
決して自己判断で薬を使ってはいけません。
薬を用いて大人ニキビ改善をしたいと思うのであれば、かならず主治医の産婦人科医と相談してから行いましょう。
予防・ケア方法その2. 食事をバランスよく摂る
妊娠中に起こりやすい食事の嗜好の変化ですが、できれば偏食は避けて、栄養が偏らないように配慮しなければいけません。
高血圧予防のために塩分・糖分はとり過ぎないように注意しましょう。
お肉や卵などのたんぱく質、緑葉食野菜のビタミン群、牛乳やヨーグルトでカルシウムは欠かさずとるよう意識すると良いです。
また、ほうれん草などに含まれる鉄分、キウイやイチゴなどに含まれる葉酸も取ることが理想です。
葉酸についての情報はこちらの記事もご参考にどうぞ。
→ 葉酸ってどんな効果?妊娠する前に知っておきたい知識とおすすめサプリ
予防・ケア方法その3. ストレスを溜めない・リラックスを心掛ける
妊娠中はホルモンバランスの変化、特にプロゲステロンの増加により、精神的に情緒不安定になるものです。
しかし、ストレスが多い状態だと血流が悪化し、肌荒れ・大人ニキビを引き起こしやすくなります。感情が高ぶると上手く寝付けないということもあり、肌荒れがさらにストレス要因となると言う悪循環も想定できます。
ストレスを溜めずリラックスを心掛けて、適度に運動するなどしてたっぷりと睡眠がとれる生活を意識しましょう。
くれぐれも、ストレス解消としての飲酒・喫煙は絶対にしないようにしてください。アルコールやニコチンはお腹の赤ちゃんにとって甚大な影響を及ぼす可能性が高いです。
妊婦さんにオススメのストレス発散方法「マタニティスポーツ」についてはこちらの記事を参考にどうぞ。
→妊娠中の運動不足解消はヨガだけじゃない!マタニティスポーツでリフレッシュ&不調改善!
予防・ケア方法その4. 化粧品は低刺激を選ぶ
妊娠中は肌が敏感になりますので、美肌の為には妊娠前以上にお肌への刺激を避けるようにしたほうが良いです。
妊娠によってホルモンバランスが変化すると、肌質もガラッと変わることがあります。化粧品は敏感肌用のものを選ぶようにし、石鹸・洗顔料も低刺激のものを使ったほうが良いかも知れません。
ニキビができたところをコンシーラーなどで隠すのも極力控えた方が良いです。肌が敏感なときに炎症部分にさらに刺激を加えると、ニキビ跡として残る可能性があるので注意です。
赤ちゃんのことを考えると、マニキュアやネイルをする人は成分にトルエンが含まれていないもの選びましょう。
低刺激のメイクアイテムに関してはコチラの記事もどうぞ。
→ 赤ちゃんに触れても安心!敏感肌にも優しい自然派メイクアイテム7選
予防・ケア方法その5. 時間に解決をまかせる
妊娠中のホルモンバランスの変化が原因の肌荒れの場合、時間が解決してくれることも十分考えられます。
初期に多くなるプロゲステロンは肌荒れを起こしやすくする要因ですが、妊娠中期を過ぎるとプロゲステロンを追い越してエストロゲンの分泌が多くなります。エストロゲンはコラーゲン生成を促して潤いある美肌にする効果があるので、妊娠中期以降は大人ニキビが自然と改善していくケースも多いです。
あれこれと対策をして肌を刺激しニキビ跡を増やしたり、できた大人ニキビにやきもきしてストレスを溜めるよりは、時間に解決をまかせるというのも方法のひとつです。
妊娠中の大人ニキビの正しいケア方法まとめ
妊娠中の肌荒れや大人ニキビは赤ちゃんの成長と切っても切れない関係にあります。
ホルモンバランスが変化することによって、初期はプロゲステロンが増加して肌荒れになり、中期以降はエストロゲンが多くなり肌が改善していくことは正しい流れです。ストレスを溜めるよりは、むしろ順調な証拠と割り切ってしまうのも方法です。
出産後は、これらのホルモンバランスの変化も妊娠前と同じ状態に元通りします。
とはいえ、食生活や生活習慣が悪くならないように心掛ける必要はありますし、しっかりと身体を休めるのも大切です。
元気な赤ちゃんを産んで、美肌もゲットできるように、正しいケア方法でがんばりましょう。