お金がかかるというだけで、不妊治療をあきらめていませんか?
不妊治療の費用は個人差が大きく、人によっては数十万円、ときには百万円単位になることがあるからです。
でも、そんなことで不妊治療をあきらめる必要はありません。
不妊治療を応援する国の制度はいくつかあって、その一つが「不妊治療助成金制度」。
あら嬉しい。と問い合わせて、あまりの制度の複雑さにガクゼンとするのも「不妊治療助成金制度」です。
なるべくたくさんスムーズに「不妊治療助成金」をもらうには、どのようにすれば良いのでしょうか?
1. 不妊治療はそんなにお金がかかるの?
不妊治療は助成金が出る。ということは・・・不妊治療はそんなにもお金がかかることなの?ということになります。
結論から言うと、かなりのお金がかかります。
個人差はありますが、安くて十万円単位、場合によっては数百万円かかると思った方が無難です。
- 不妊治療はやめだわ。
- 子育てにも大金がかかるのに、そんなお金出してられない。
そう思うかもしれませんが、そのあたり心配ありません。
出産はなんでもかんでもお金がかかる、というイメージがありますが、出産直後は別です。
「出産直後は、予想よりお金がかからなかった」という感想の人が多いのです。
出産直後はプラスマイナスゼロ?
出産直後は、意外とお金がかからないと言われます。
出産費用は確かに大きいのですが、生まれたばかりの赤ちゃんは、食事量そのものが少ないからです。
自治体からお金が出たり、お祝いやプレゼント、ママ同士のシェアなどで、お金が浮く機会も多い。
出産はプラマイゼロだという人もいるくらいです。
子供の食費が「ガクゼン」とするくらいかかるようになるのは、成長期の食べ盛り伸び盛りで、食事の量が増えるころ。
出産直後より、ずっと後になってからの話なのです。
不妊治療は100万円単位もありうる
不妊治療で妊娠をめざすカップルの場合、10万円単位、100万円単位の出費も珍しくありません。
治療内容にもよりますが、不妊治療は病院に行くたびに数十万円かかるからです。
そこで、不妊治療の費用に悩む人を救う制度がいろいろ設けられています。
その一つが「不妊治療助成金制度」なのです。
2. 地域によって、大違い。不妊治療助成金制度
不妊治療助成金制度を利用する際は、「在住している都道府県」または「在住している市区町村」に問い合わせましょう。
不妊治療助成金には、
- 都道府県からもらえるもの
- 市区町村からもらえるもの
2つの制度があります。
さらに、すべての都道府県では、不妊治療助成金制度があります。
これが市区町村だと「制度がある市区町村」「制度がない市区町村」があります。
その上、これが最大のネックですが「制度がある自治体では、自治体によって制度の中身が違います」。
それぞれの自治体がどんな不妊治療助成金を行っているかは、それぞれの自治体に問い合わせてみなければ判らないのです。
今の自分が不妊治療助成金制度に該当するのか?そもそも地域に制度が存在するのか?
これも自治体に聞いてみなければ判りません。
ちょっとしたカベがあって、ひと手間かかってしまうのが、不妊治療助成金制度なのです。
どんなカップルが助成金を受けられるの?
不妊治療助成金制度は、戸籍上の夫婦のためのものです。
「不妊かもしれないので、もし子供ができたら結婚します」のケースは、当てはまりません。
また、国は「特定不妊治療」に該当する治療であれば、都道府県を通じて助成金を出しています。
「特定不妊治療」とは、高度不妊治療(生殖補助医療)を言います。いわゆる体外受精・顕微授精・凍結胚移植などのことです。
不妊治療助成金制度を受ける条件はこれ
- 申請日現在、申請都道府県に住所を有し、指定医療機関で不妊治療を行っている戸籍上の夫婦
- 夫婦合算の年間所得額730万円未満
この条件をクリアしていれば、通常は助成金が出ると思ってよいでしょう。
一方、自治体はそれぞれ独自に不妊治療助成金制度を設けています。
ほとんどの自治体が「特定不妊治療」をひとつの目安に、助成金を出すかどうかの基準を決めているようです。
「妊活サプリを飲んでいます」とか、「妊活のために漢方薬で体質改善をしています」というケースは該当しません。
3. 自治体などの窓口への問い合わせ。いかに攻略するか
不妊治療助成金制度はもちろん、他の用件のときにも、自治体に問い合わせるにはコツがあります。
「○○市に、不妊治療助成金制度はありますか?」と質問するのではなく、「自分が何を目的に質問しているのか?」を説明した上で、質問するのです。
「不妊治療をしたいので、不妊治療助成金制度などの制度はありますか?」
そういう風に質問すると、質問された人は「不妊治療に関連する情報のすべて」を教えてくれる可能性があります。
- 「○○市で不妊治療を希望される場合、不妊治療助成金制度があります」
- 「さらにAの制度が利用できます。Bというしくみもあります」
- 「不妊治療を希望する方は、Cの窓口に問い合わせると便利です」
と、なりやすいのです。
目的を伝えずに、質問だけをすると?
いきなり自治体の窓口に電話をして「不妊治療助成金制度はありますか?」と聞くと、「あります」「ありません」で話が終わってしまう可能性があります。
質問された人が、「不妊治療助成金制度はありますか?」と聞かれただけだからです。
「不妊治療を希望しているので、それに関する情報を探している者です」と伝えてから話した方が、話が早くてスムーズです。
実際には、窓口の人が「この質問をしてくるということは、不妊治療に関心のある女性だな」と察してくれることも多いのですが。
4. 不妊治療助成金をもらうための必殺技「転居」
不妊治療助成金が欲しいけど、今住んでいる町には、不妊治療助成金制度がない。
だから、不妊治療助成金がたくさんもらえる町に引っ越したい!と思いつく女性がいます。
基本的におすすめできません。
おそらく引っ越しの手間と費用でプラスマイナスゼロ、最終的に損することも考えられるからです。
これから転居する予定がある場合は?
ただし、これから妊娠しようと考えていて、さらに転居も予定している場合は別です。
「転居先の都道府県・市区町村に、不妊治療助成金制度があるか?」を調べて確認してから、転居先を決めましょう。
家賃の相場が地域によって違うように、「不妊治療や子育てに関する助成金が出るかどうか」は、市区町村によって大きく違います。
子育ての助成金が出るかどうかだけで転居先を決めるのは無理がありますが、「転居先を隣町にしておけば、数十万円違ったのに!」は、ありえるそうです。
どの市区町村がどんな子育て支援を行っているかは、ネット検索ですぐ判ります。
検索が苦手。という女性には、自治体に電話で問い合わせることをおすすめします。
うまくいけば、「○○市より△△町に引っ越したほうが、不妊治療助成金制度があるし、家賃も安いしお得ですよ!」という情報が聞けるかもしれません。
日本全体で見ると、不妊治療助成金制度がある自治体は、多いような、少ないような。
でも、もし自治体に制度があって、規定の条件に該当すれば、数万円から数十万円の助成金が出ます。
それに、都道府県から出る不妊治療助成金は、条件さえ該当すれば、すべての都道府県で受けられます。
お金がないから不妊治療は無理だわ。と、立ち止まっている必要はないのです。
「不妊治療に関心があります」と、近くの自治体に問い合わせてみましょう。