ここ数年、オーガニックオイルをはじめとした「オイル美容」のブームに火がつき、年々その種類が豊富になってきました。しかし、増えてきた分、どれが自分に合っているのか、どのように取り入れたら効果的なのか、正しく理解し、選べている女子は多くありません。美容オイルを買ってみたものの、効果がなく、やめてしまったあなたも、正しく使えていなかっただけかもしれません。
しっかり理解して使えば、美容オイルは頭の先から足の先まで全身の美容に使えるスーパーアイテムですので、これを機にオイルに詳しくなっちゃいましょう♪
もくじ
どうしてオイルがいいの?
肌には必ず「皮脂」が必要
「皮脂」と聞くとテカテカの悪いモノというイメージですが、肌には絶対に必要な成分です。皮脂は、肌の水分の蒸発を防いでくれるだけではなく、角質に入り込み、肌内部の水分キープもしてくれます。また、肌に薄い膜を張り、外部刺激(紫外線やほこりなど)から肌を守ってくれるバリアの役割をします。さらに、皮脂が肌の表面にいる常在菌のエサとなり、肌のpHを一定に保つことで細菌の繁殖を防いで肌トラブルを予防します。皮脂は美肌を保つためには必ず一定量、必要な成分なのです。
しかし、残念ながら30代以降、急激に皮脂分泌量が減ります。また、皮脂の質が変わり、バランスが崩れていくことが分かっています。そのため、本来の皮脂のはたらきに支障が出て、様々なトラブルに見舞われます。
オイルが皮脂の代わりになってくれる
もうお気づきの通り、こういった女性の皮脂の代わりになってくれるのがオイルです。しかし、ここからが重要です。ただオイルを塗ればいいというものではありません。美容オイルはできるだけ本来の皮脂に近い成分にすることで、肌に負担なく効果を発揮することができます。そのため、少し難しいですが、まずは肌と皮脂の構造を理解することが重要です。
皮脂の構造をカンタンに知りたい!
三大構成成分とはたらき
本当は、様々な成分で構成されていますが、まずはこの三大成分、とだいたいの構成割合を知っておけば大丈夫です。
- 脂肪酸系成分(約60%)
→保湿、肌に柔軟性を持たせる、紫外線の吸収などのはたらきを持つ。 - ロウ(ワックスエステル)(約20%)
→肌表面を滑らかにして、外部刺激から保護する。 - スクアレン(約10%)
→保湿成分。非常に酸化されやすい性質。 - その他(約10%)
→コレステロールやミネラル、有機物など
脂肪酸は2種類に分けられる
皮脂の半分以上を占める脂肪酸は、さらに飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類に分けられます。年齢と共に少しずつ不飽和脂肪酸の比率が減るため、この補てんが大切になってきます。
- 飽和脂肪酸
- 常温では固体。酸化されにくい。バターの様な動物性油脂に多い。
パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸など
- 不飽和脂肪酸
- 常温では液体。酸化されやすい。オリーブオイルや魚の脂に多い。
オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸など
では、ざっくりと皮脂について理解したところで、どんなオイルを使えば、皮脂の補填ができるのか、肌悩み別に見ていきましょう。
肌悩み別!おすすめ美容オイルと正しい使い方
保湿にホホバオイル
ホホバオイルは、皮脂の構成成分の中で言う、ロウ(ワックスエステル)が主成分なので、セラミドを守り、乾燥した肌を修復させるはたらきがあります。また、紫外線から肌を守る役割も持ち、SPF値は5あると言われています。
朝晩のスキンケアの最後にホホバオイルを追加するのがおすすめです。
柔軟性UPにスイートアンモンドオイル
適度な粘度を持ちながらも、肌への浸透率が非常に早く、化粧水の前にブースター(導入剤)代わりに使うのがおすすめです。肌を柔らかくして、化粧水や美容液の浸透をよりUPさせてくれます。面倒な場合は化粧水に1~2滴混ぜて一緒に付けてもOKです。
シミ・シワのケアにローズヒップオイル
赤いオイルでこの色は抗酸化力を示すカロチノイド由来。不飽和脂肪酸のリノール酸やαリノレン酸を豊富に含んでいるので、潤いを与えるのはもちろん、ターンオーバーを活性化するのでシワやシミの予防・改善が期待できます。
独特の香りと粘度があるので、キャリアオイルで伸ばすか、クリームなどに数滴混ぜて使うのがおすすめです。
総合的なアンチエイジングには低温圧搾オイル
オイルの種類ももちろんですが、オイルの精製工程が大切です。
アンチエイジングには「抗酸化力」のあるオイルが必須ですが、オイルを圧搾する際に、熱を加えているとその効果は激減してしまいます。できるだけ低温圧搾(30℃以下)されているオイルを選ぶようにしましょう。
髪と頭皮のケアにもオイルがイイ!
髪の乾燥ケアに
パサパサ・広がる髪にもオイルは効果的です。
シャンプーをした後、タオルドライをして、オイルを毛先から揉みこみます。その後ドライヤーで乾かすだけで纏まりのある、艶やかな髪になります。
頭皮の皮脂も減っている
頭皮は顔の皮脂よりも早く10代後半から皮脂量は減少しています。そのため、オイルで皮脂を補うことで、頭皮を健康な状態に保ち、健やかな髪を作り出すことができます。
オイルを直接付けるのがおすすめですが、正直面倒ですよね…。そういう場合には、オイルインシャンプーがおすすめ。最近ではドラックストアでも買えるようになったので、ぜひ試してみてください。
週に1回の頭皮クレンジングですっきり!
毛穴に詰まった酸化した脂は、メイクを落とすのと同じように、オイルで落とせます。
*方法
- 頭皮を軽くマッサージしながらブラッシング
- 髪は濡らさずに、オイルをたっぷり手に取って、頭頂部の頭皮に付ける
- 指の腹でマッサージしながら頭皮全体にオイルを揉み込む(1~3分)
- お湯ですすいだ後、いつも通りシャンプーをする
ボディにも効果的にオイルを使いたい
マッサージオイルですべすべ!
皮膚は顔だけではありませんので、全身の皮膚にオイルは使えます。マッサージ専用のオイルもありますが、もちろん顔用のものでもOK。
腕や脚は顔よりも皮脂腺が少ないので乾燥しやすい部分です。オイルでマッサージすることで、血流が良くなるのと同時に、しっとり感が長続きし、すべすべのお肌に導いてくれます。
また、お風呂上がりの濡れたままの肌にオイルを馴染ませることで、すっと浸透して内側からしっとりします。ぜひ試してみてください。
お風呂に数滴垂らして全身しっとり
バスオイルを湯船に数滴垂らして入ることにより、肌の乾燥を防ぎ、また柔らかな肌にしてくれます。香りのあるオイルを使うことで、リラックス効果も得られるのでおすすめです。
オイル美容でよくある勘違い
オイリー肌・ニキビ肌には向かない
頭皮クレンジングでも述べましたが、脂は脂で良く落ちます。オイリー肌の方におすすめなのが、オイルクレンジングです。酸化した余分な皮脂は肌トラブルの原因になります。しっかりと汚れを落として常にキレイな皮脂状態を保つことが大切です。
ただし、ニキビの原因であるアクネ菌は、オレイン酸が好物です。炎症を起こしやすくなるので、成分には注意をしてください。
油焼けするから日中使えない
これも勘違いです。純度の高い美容オイルなら大丈夫です。昔はオイルの精製技術が低かったので、オイルの中の不純物が紫外線で酸化し、油焼けすると言われていたのが名残です。現在の美容オイルのほとんどは高純度なので心配ありません。むしろオイルは紫外線防止にも一役買ってくれますので、日中も使うのがおすすめです。
オイルはスキンケアの最後に付ける
オイルの種類によっては、洗顔後すぐに付けた方がいいものもあります。最初に説明した、皮脂の構成成分のどの役割をするオイルなのかによって、使う順番を決めることができます。
食用オイルなら肌につけても安心
これは間違いです。食用のほうが安全そうに感じますが、実は逆。化粧品に使われているオイルのほうが純度は高く、不純物が少ない状態です。また、化粧品の基準は厳しいので、肌専用の美容オイルを使用するようにしましょう。
もちろん、内側からの美容として、オイルを食事に取り入れることも方法の一つです。この件はまた別の機会に紹介しましょう。
オイルがあれば万全!ハリツヤのある女性に♡
いかがでしょうか?オイルを理解すると、「こういう時にはあのオイル!」と選んで使うことができるので女性として美容知識がワンランクアップした感じですよね。とっても便利なオイルを味方につけて、ハリツヤのある素敵な女性になりましょう!