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働くママ必見!幼稚園と保育園どっちがいいの?それぞれの違いまとめ
子どもが大きくなってくると、幼稚園や保育園選びに頭を悩ませるママも多いのではないでしょうか?実際に働くママだった私が、我が子をどちらにも通わせていた経験を交えて、保育園と幼稚園の違いや園の選び方のコツについてご紹介します。
保育園と幼稚園、どっちがいいの?
子どもを初めて保育園や幼稚園に入れるとき、どこの園に入れると良いのか迷いますよね。
最近は保育園も幼稚園も園によって特色があるので、保育園と幼稚園の違いも気になります。
以前は働くママは保育園を選ぶことがほとんどでしたが、最近は幼稚園も預かり保育が充実しているところが増えてきており、選択の幅が広がりました。
それゆえどちらにすればよいのか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか?
どちらにせよ、子どもが楽しく過ごせてより成長できる場所を選んであげたいと思うのが、どの親にも共通する願いです。
実際に幼稚園と保育園に我が子を通わせたからわかる事
実は私は以前教員として働いており、娘を1歳の頃から保育園に通わせていました。
娘が2歳の頃に息子が生まれ、その後さまざまな事情から退職したため娘は年中から幼稚園に移動しました。そのため保育園と幼稚園、両方経験しています。
その経験から感じたことも踏まえつつ、保育園と幼稚園の違いや、園の選び方、それぞれのメリット、デメリットなどについてご紹介します。
保育園と幼稚園の大きな違い
保育園と幼稚園は、未就学児が通うという点では共通していますが、そのほかの点では異なるところが多いです。
もちろん園ごとの違いはありますが、保育園と幼稚園では基本的に違っている部分があるのです。
管轄の違い
最も大きな違いは、保育園と幼稚園の管轄の違いです。
- 保育園の管轄は厚生労働省
- 幼稚園の管轄は文部科学省
保育園は児童福祉法では下記のように定められています。
保育所は、保育を必要とする乳児・幼児を日々保護者の下から通わせて保育を行うことを目的とする施設である。
(※保育所は保育園の正式名称)
保育園での教育は、子どもの発達の援助であり、
「義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとしての満3歳以上の幼児に対する教育」は行わない。
とされているのです。
一方幼稚園は、文部科学省のホームページの中で下記のように紹介されています。
幼稚園も学校教育法に基づく「学校」です。 3歳から小学校入学前までの子どもは,全国どこでも共通の教育課程に基づく教育が受けられます。
と紹介されています。
つまり保育園は養育、保育園は教育を行う
保育園は、親に代わって子どもを養育する施設と位置付けられているのに対し、幼稚園は教育を行う施設と位置付けられているのです。
保育園と幼稚園の一番の違いはこの点にあります。
対象年齢の違い
保育園と幼稚園では対象年齢も違います。
- 保育園の対象年齢は0歳から小学校入学前の子ども
- 幼稚園の対象年齢は満3歳から小学校入学前の子ども
保育園は生後数か月後からいつでも入園できるのに対し、幼稚園では満3歳になった春から入園できます。
ただし幼稚園によっては「未満児保育」というものを行っており、その場合は3歳になった日から幼稚園に入園することができます。
保育時間の違い
- 保育園の保育時間は一般的に7時半~18時くらいまで
- 幼稚園の保育時間は9時~14時くらいまで
幼稚園の場合は、送迎バスのコースによって登園時間がバラバラだったり、園終了後に預かり保育を行っていたりすることもあります。
保育料の違い
保育園の保育料
保育料は、認可保育園の場合は自治体によって金額が決められており、課税の状況(両親の収入)に応じて支払う保育料は変化します。
母子家庭や低収入の家庭の場合は、保育料がかからないこともあります。
一方両親ともに正社員で収入が高い場合はかなりの保育料を取られることも。
特に3歳未満の保育料はびっくりするほど高額になることもあります。
幼稚園の保育料
幼稚園は、公立の場合は自治体により決められており、私立の幼稚園の場合は幼稚園ごとに異なります。
どちらの場合も収入にかかわらず、保育料は一律です。
私立の幼稚園の場合、これ以外に入園料や進級費、施設費や教材費などが取られる場合があります。
家庭の収入や選ぶ幼稚園などにより、幼稚園のほうが料金がかからない場合もありますし、保育園のほうが料金がかからない場合もあります。
給食の有無
保育園は、給食を出すことが義務付けられています。
一方幼稚園は特に決まりはありません。
幼稚園により、お弁当のところと給食のところがあります。給食の日とお弁当の日が両方あるという幼稚園も多いです。
保育園のメリット
私は保育園と幼稚園、両方経験してみてそれぞれにメリットもデメリットもあると感じました。
まずは保育園のメリットをご紹介しましょう。
保育園のメリット1. ママの負担が軽い
保育園は、両親ともに何らかの事情があり昼間は子どもの養育が難しいということが前提になっています。そのためなるべくママの負担が軽くなるように配慮されています。
給食が義務付けられていることもそうですし、親が参加しなければならない行事も、運動会や学芸会くらいしかありません。
普段の保育における親の手伝いももちろん要求されることはほとんどありません。
働くママにとってはうれしいですよね。
保育園のメリット2. 子どもがたくましく育つ
「保育園育ちはたくましい」とよく言われますが、これは早くから親元を離れ、集団生活を経験することによります。
最近は兄弟が少ない家庭が多く、小さなころからたくさんの人数の中で過ごすといった経験をすることは少ないのではないでしょうか?
幼稚園に上がるまでは親とマンツーマンで過ごすということがほとんどですよね。
しかし保育園では1歳児さんだとしても先生がマンツーマンでついてくれるわけではありません。
そのため自分のことは自分でしなければなりませんし、子ども同士のいざこざも自分たちで解決しなければならないことが多くなります。
これらのことから自立するのが早く、たくましく見えるのかもしれませんね。
うちの娘は保育園に通っていたのが3歳までだったため、あまり保育園育ちらしいたくましさはないのですが、すぐに友達を作ることができるところは、もしかしたら保育園で過ごした経験が生かされているのかもしれません。
保育園のメリット3. 身の回りのことが早く身につく
先ほどもお伝えしたように、保育園は一人一人にマンツーマンでつくわけではないため一人でやらなければならないことが増えます。
家にいればママが手伝ってしまうことでも、保育園では一人でやらなければなりません。
そのため一人でできることが増え、身辺自立が早くなります。
もちろん自分でできるようになるために、先生方も支援をしてくれます。
うちの娘は2歳でオムツが外れたのですが、家では特に何もしておらず、気が付いたら外れていました。先生様様です。
一方保育園に行かなかった息子のオムツは3歳でようやく外れました。
また保育園に行っていた娘は食べ物の好き嫌いがほとんどないのですが、息子は好き嫌いがかなりあります。
もちろん個人差もありますが、保育園の影響も大きかったのではないかと感じています。
保育園のデメリット
メリットがある一方、もちろん保育園のデメリットもあります。
保育園のデメリット1. 小学校生活になじみにくい
先ほど保育園は厚生労働省の管轄とお伝えしました。
保育園は子どもたちの家庭の代わりになる場所と考えられているため、小学校生活につながるような教育はあまり行われないこともあります。そのため小学校での生活に、最初のうちは戸惑うことも多いようです。
小学校の先生の中には、「保育園育ちの子と幼稚園育ちの子はすぐにわかる」という方もいるそうです。
しかし慣れてしまえば幼稚園育ちの子どもとの違いは感じなくなることがほとんどです。
学力面は気にしなくても大丈夫!
学力面の心配をする方もいるかもしれませんね。
もしかしたら最初のうちは差が出るかもしれませんが、その差はすぐになくなってしまいます。
また最近は保育園でも学習的な活動を行っているところもありますので、学力面についてはあまり気にしなくても大丈夫です。
不登校になってしまうことも
ただ、保育園育ちの子の中には生活環境の変化に慣れず、不登校になってしまう子どももいるようです。
これは幼稚園でも、自由が売りの幼稚園に通っていた子どもは同じような状態に陥ることがあります。
うちの娘は保育園を辞めた後、年中さんから幼稚園に通わせました。
割と自由な雰囲気の幼稚園だったからか小学校に慣れるまでかなり時間を要し、慣れるまではお腹が痛いと学校を休むこともありました。
しかし、学校に慣れてくるとお腹が痛いということもなくなりました。
新しい環境になじみにくい子どもの場合は注意が必要かもしれません。
お昼寝によって生活リズムが崩れる
また保育園にはお昼寝の時間があります。
これがまた曲者で、何歳になってもお昼寝をさせられるため、体力がついてくるとお昼寝のせいで夜眠れなくなり、生活のリズムが崩れてしまうことがあるのです。
また昼寝の習慣がなかなか抜けず、学校で眠くなってしまう子どももいます。
これも小学校の生活になじみにくくなる要因の一つだと感じます。
娘は幼稚園に変えたにもかかわらず、昼寝の習慣がなかなか抜けず、幼稚園から帰ったとたん寝てしまうこともありました。
保育園のデメリット2. 子どもと過ごす時間が少なくなる
これは保育園がというよりは、働くママすべてが感じることですよね。
しかし幼稚園の場合はもともとお母さんが働いていないことが前提のため、行事で幼稚園に行かなければならないことも多いですし、お手伝いをしなければならないことも増えます。
そのため多少無理をしても子どもに時間を割かなければならなくなります。
一方保育園の場合は、子どもと家で過ごす時間が短いうえに、ママが保育園に行かなければならないこともほとんどありません。
しかも身辺自立に関してもほとんど保育園で覚えてきてくれますので、ますます子どもに手をかけることが少なくなってしまいます。
うちの場合も娘は夜早く寝てしまう子どもだったので、保育園に通っている間、家に帰ってきたらご飯を食べてお風呂に入って寝るだけ。みたいな生活を毎日繰り返していました。
まともに向き合えるのは仕事がお休みの時ぐらいでした。これは今でも後悔していることの一つです。
保育園のデメリット3. 子どもが寂しい気持ちになることも
ママと過ごす時間が少ないことで、子どもが寂しい気持ちになることもあります。
それを感じたのは娘の場合は保育園を辞めた後でした。
実は保育園を辞めてすぐに年少から一度幼稚園に入園したのですが、「家にいたい」と幼稚園に行きたがらなくなりました。そのため幼稚園を辞めることにしました。
保育園に行っていたときは本人も寂しい気持ちに気が付いていなかったのだと思いますが、いざ私と家で毎日過ごすようになると、今までの時間を取り戻すかのように私から離れたがらなくなりました。
これは個人差もありますし、両親のかかわり方でも変わることだと思います。
我が家の場合は私のかかわり方が不十分だったのかもしれません。
一年間家で一緒に過ごし、年中から幼稚園に入った後はそのようなことはなくなりました。
子どもが寂しい気持ちになることがあるということを、いつも心の片隅に置いておくといいかもしれませんね。
幼稚園のメリット
一方、幼稚園のメリットにはどのようなことがあるのでしょうか?
子どもに合う場所を選ぶことができる
幼稚園にはそれぞれに様々な特色があります。
学習を行ってくれたり、自然の中でのびのびと過ごす教育方法が取られていたり。園の活動が終わった後も、預かり保育を行ってくれたり習い事をすることができたりと、園によって行う活動が全然違います。
先生の指導方針も幼稚園によって変わります。
保育園では難しい子供の多様性に合わせられる
私は娘を幼稚園に入れるときに様々な幼稚園を見学に行きましたが、幼稚園によって雰囲気がだいぶ違いました。
保育園の場合は待機児童問題もあり、「この保育園に入れたい!」と思っても難しいことがほとんどです。
しかし幼稚園の場合は、ある程度は選択の余地があります。
子どもの性格はさまざまなので、子どもによって合う方針は変わります。
子どもに合った場所を選択できる点は大きなメリットではないでしょうか?
親が子どもと接する時間がとれる
幼稚園は保育園とは違い、子どもが家に帰る時間が早く親と過ごす時間が十分に取れます。
ママが仕事をしていて預かり保育をしている場合でも、幼稚園では親が参加しなければならない行事が多いため、必然的に幼稚園に行く機会も増えます。
そのため子どもに手をかけなければならない場面が増えます。
意識しなくても子どもに手をかけなければならなくなるため、子どもが放っておかれている気持ちになることは少ないかもしれませんね。
私は下の息子が幼稚園の年長の頃に、パートですが再び仕事を始めました。
正直行事のたびに仕事を休むのは大変でしたが、今考えると息子の幼稚園での様子がわかり、良かったと思います。
仕事をしていると幼稚園は大変なことも多いですが、振り返ってみると頑張ってよかったかなとも感じました。
小学校生活とのギャップが少ない
これは幼稚園によっても違いますが、幼稚園は文部科学省の管轄ということもあり、小学校生活を意識したプログラムが組まれていることが多いです。
幼稚園の中には簡単なひらがなや計算などを練習するところもあります。
うちの子どもたちが行っていた幼稚園は、学習的なことはあまり行いませんでしたが、体育的な活動や音楽的な活動は、小学校を強く意識したものでした。
また「並ぶ」「座って話を聞く」などは卒園するまでにしっかりとできるように指導してくれていました。
もちろん保育園でもこのような指導を行うところはありますし、園によって差はあります。
しかし管轄の違いもあり、どちらかというと幼稚園のほうが、小学校生活になじみやすいプログラムであることが多いようです。
また幼稚園の場合、家の近くの幼稚園を選ぶ方も多いのではないでしょうか?
幼稚園の中に同じ小学校に入学するお友達がいると、やはり親子ともに心強いですし、学校に慣れるのも早いかもしれませんね。
幼稚園のデメリット
子供の教育の面では幼稚園はとても有用ですが、デメリットもあります。
ママの負担が大きい
先ほどメリットのところで「ママが子どもと接する機会が多い」とお伝えしましたが、これは同時にデメリットにもなります。
特に働いているママにとって、仕事で忙しいうえに子どもの幼稚園のことにまで時間が取られることは大変ですよね。
忙しさのあまりイライラしてしまい、子どもにイライラをぶつけることになっては元も子もありません。
そういう場合は、少しでもママの負担が少ない園を選ぶことが子どもにとっても良い結果になることも。
子どもにも負担が大きい
うちの子どもたちが通っていた園長先生が、「幼稚園のプログラムは、子どもが幼稚園終了後に家に帰ることを前提に作られている。幼稚園終了後に預けられることは、子どもにとって負担が大きい」と言っていたことがありました。
確かに、保育園の場合は長時間過ごすことが前提なので、子どもが負担を感じないプログラムになっていたかもしれません。
両親が共働きの場合は子どもに寂しい思いをさせる可能性がある
また幼稚園の場合、共働きの家庭は少なく行事に親がくることは当たり前です。
その中で自分の親だけ来ていないという事態になると、子どもは寂しい気持ちになるかもしれませんね。
保育園の場合は同じ立場の子どもばかりなので、そういう気持ちにはなりにくいかもしれませんね。
園選びのポイントは?
幼稚園にも保育園にもそれぞれにいいところも悪いところもあります。
また最近は、幼稚園も保育園も独自のプログラムを打ち出しており、保育園でも学習を取り入れている場合がありますし、幼稚園でも遊びを中心に行っているところもあります。
また幼稚園でも保育園並みに預かりが充実しているところもあり、結局のところ保育園を選ぶか、幼稚園を選ぶかというよりも、「どこの園を選ぶか」ということの方が重要かもしれません。
では園選びの際、どのような点に気を付けると良いのでしょうか?
ポイント1. 子どもの性格を考慮する
園によってさまざまな方針があります。
両親の「こういう園に入れたい」という希望もあるかもしれませんが、まずは子どもの性格を考慮し、子どもに合った方針の園を選ぶことが大切です。
適応力の高い子どもの場合はどんな園に入れてもそれなりになじむので、あまり考えなくても大丈夫かもしれませんが、新しい環境になじみにくい子どもの場合は園選びを失敗すると、幼稚園生活が苦痛になってしまうことも。
ポイント2. 先生方の雰囲気はどうか
どんな方針の園だとしても、先生方の雰囲気が良い場合は子どもも楽しく通えることが多いです。
うちの子どもが通っていた園は、保育園も幼稚園も先生方の雰囲気が良く、どちらも楽しく通っていました。
園体験を利用して縁の様子を観察する
体験に行った際は、先生方が楽しそうにしているか、また先生方の子どもに対する接し方をよく観察してみてくださいね。
ポイント3. 園の子どもたちの表情
園の子どもたちの表情も、見学の際によく観察しておきましょう。
子どもたちが元気でのびのびしていると安心です。
また子どもたちが落ち着きすぎている場合は、しつけが厳しすぎる可能性もあります。
あまりにきちんとしすぎている場合は先生方の指導の様子をよく観察してくださいね。
ポイント4. 親のライフスタイルに合うかどうか
いくらいい園でも、ライフスタイルと合わなければママの負担が大きくなってしまいます。
保育園の場合は、立地条件は特に大切です。ママやパパの通勤時間と保育園の送迎時間を考えて、家から近いほうが良いのか、職場の近くが良いのか考慮しておきましょう。
幼稚園の場合は、行事が多すぎたり親の手伝いが多すぎたりすると、働くママには大変かもしれません。
預かり保育が充実しているか、お弁当と給食の割合はどうかなどもチェックしておきましょう。
幼稚園と保育園を兼ね備えた認定子ども園
待機児童問題を受けて、「認定子ども園」というものが最近あちこちに作られています。
認定子ども園とは、幼稚園と保育園の機能を併せ持った施設です。
年齢は0歳~5歳まで通うことができ、幼稚園に通う年齢になると、幼稚園の子どもたちと一緒に活動をすることができます。
幼稚園に通わせたいけど、仕事との兼ね合いで難しいという方には魅力的な施設ですね。
認定子ども園は最近できた施設なので、園によって質に差があります。
認定子ども園を選ぶときは、先ほどお伝えしたポイントに加え、
- お昼までの子どもと、夕方までの子どもが仲良く遊べているか
- 就労家庭に対する理解はあるか
- 幼稚園のプログラムが終了した後の過ごし方はどうか
- 料金が高すぎないか
などをチェックしましょう。
子どもが楽しくすごせる場所を選択しましょう
保育園を選んだほうが良いのか幼稚園を選んだほうが良いのかは、子どもの性格によっても変わりますし、家庭の考え方によっても変わります。
私は保育園に入れていた時は保育園のほうが良いと思っていましたし、幼稚園に入ったときは幼稚園のほうが良いと感じました。
結局のところ子どもが楽しくすごしてくれていれば、親は安心して預けることができるのです。
子どもは自分で園を探せませんし選べません。子どもの代わりにママが責任をもって子どもが楽しくすごせる場所を探してあげてくださいね。
我が家の子どもたちもぶつかった、中1を悩ます「2学期の壁」
最近ネットサーフィンをしている中で気になる言葉を発見しました。 それが、「中1の2学期の壁」という言葉です。 「中1の壁」は良く聞きますが、「中1の2学期の壁」という言葉は初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、「中1の2学期の壁」の原因や対処法についてご紹介します。
中1を悩ます2学期の壁とは?
中1ギャップ・中1の壁という言葉は、中学生のお子さんをお持ちの方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
中1の壁は、小学校生活と中学校生活との違いになかなか対応できない状態のことを言います。
中学校は小学校と比べると自由が少なくなりますし、勉強も大変になります。また部活動が始まったり、先輩との付き合い方も小学校とは変わったりなど、学校生活が大きく変化します。
これらすべての変化になじむことはなかなか大変なことで、この状態をこじらせると、不登校になってしまうこともあります。
うちの子どもたちは「中1の壁」と言えるほどのことはありませんでしたが、完全に中学校の生活に慣れるまでには時間がかかりました。
では、中1の2学期の壁とはどのような状態をいうのでしょうか?
中学1年生の2学期にそびえ立つ勉強の壁
中学生になると、小学生の頃よりも勉強がぐっと難しくなります。それでも1学期まではまだ序の口。本格的に勉強が難しくなってくるのは2学期からです。
2学期になると、小学校の頃にそこそこ成績が良かった子どもたちでも、成績がガクッと落ちることがあります。
これを「中1の2学期の壁」と呼ぶのです。
中1の壁の一種として扱われることも多いようです。
この現象は、 2013年の「AERA」の記事で特集され広く知れ渡りました。
ベネッセ教育総合研究所調査によると「できるはずの中1」が2学期を境に学習面で苦しむケースが多いことが明らかになった。
「中学に入って最初の夏休みに中だるみをしてしまうのと、2学期にあらゆる教科で難易度が高まることが原因と思われます」(主任研究員・樋口健さん)
私はこの記事を最近ネットで読んだのですが、これを見たとき、「あ、うちの子どもたちだ」と思いました。
当時「中1の2学期の壁」なんていう言葉は知らなかったのですが、今思い返してみると思い当たる節がたくさんあります。
うちの子どもたちはなんとか壁を乗り越えることができたようですし、周りの子どもたちの中にも壁にぶち当たったものの乗り越えることができた子もいました。
ではこの2学期の壁は、どうして起こるのでしょうか?また、どのようにすると乗り越えることができるのでしょうか?
私の子どもたちの経験も交えながらご紹介します。
中1の2学期の壁の原因
中1の2学期の壁は、主に学習面がうまくいかないことを指しています。
実はうちの子どもたちも、小学校の頃は勉強がわからずに困るということはありませんでした。塾などにもいっていませんでしたし、家で勉強をすることもほとんどありませんでした。
そんなうちの子どもたちの成績がガクッと下がったのはやはり中1の2学期でした。
では2学期の壁の原因にはどのようなことが考えられるのでしょうか?
1. 学習の内容が難しくなる
中一の2学期の壁の原因に、まず一番に上げられるのが、学習の内容が難しくなることです。
小学校の頃の勉強はそれほど難しいものはなく、授業中に理解できるものばかりでした。しかし中学校に入ると教科書が厚くなり、一つの教科で勉強をする内容が増えます。
しかも小学校では無かった「英語」が増えます。(2016年現在)
うちの娘の場合はこの英語が曲者でした。
英語を習ったこともありませんでしたし、小学校での英語学習もまだそれほど盛んではなかったため、中学校でほぼ初めて英語に触れたのです。
それでも1学期は単語を覚える程度だったためまだ何とかなりましたが、2学期になると内容が本格的になり、定期テストの範囲もさらに広くなったためなかなか対応できず悩んでいました。
質問しにくい授業環境
小学生の頃は、わからないことがあっても授業中に質問がすぐにできる雰囲気だったため、その場ですぐに解決することができました。しかし中学校に入ると先生が一方的に進める授業が多く、なかなか授業中に質問をすることができません。
教科ごとに先生が変わる中学校のシステムは、先生に慣れるまでに時間がかかるため、個人的に先生に質問をしに行くのも気が引けることが多かったようです。
うちの娘と同様に、中学校での学習内容に戸惑う子どもは多いようです。
2. 授業だけでわかった気になってしまう
学習内容をしっかりと理解していないということに、子ども自身が気が付いていないという場合もあります。
これはまさに息子がそうでした。
小学校では成績が良かったのに・・・
息子は小学生の頃は、授業中にすべて学習内容を理解できていました。
といっても小学校のテストは簡単だったため、本当に理解していたのかどうかは定かではありません。それほど悪い点数を取ってきたことはなかったため私も安心しきっていましたし、特に勉強を促したこともありませんでした。
それが中1の2学期にかなり成績が落ちてしまったのです。
息子自身もこの結果には大変ショックを受けていました。
自分では「理解している」と思っていたのに、実はわかっていなかったということがテストを通して突き付けられたのです。
授業中の先生の話は理解できたとしても、家庭学習をしていないため頭の中には入っていない状態だったのですね。
うちの息子のように、小学校の頃に勉強をあまりしていなかったけれど特に困ったことはなかったという子は、学習内容を理解したつもりになりやすいかもしれません。
3. 家庭学習の習慣がついていない
中学生になると学習の内容が増えるため、学校での演習の時間がなかなか取れません。
小学校では授業中にある程度は演習の時間をとってくれていました。先ほども述べたように、うちの子どもたちは家庭学習をせずに何とかなっていました。
そのため「家庭学習をする」という習慣がついていませんでした。
しかし中学生になると、家庭学習なしでは理解を定着させることは難しくなります。
また中学校の定期テストは範囲が広いため、テスト前に少し勉強をしたぐらいではなかなか点数を取ることは難しくなります。
子どもに家庭学習の習慣をつけることは、中学校での学習には不可欠なのです。
4. 定期テストの対策がうまくいかない
家庭学習をしていたとしても、定期テストの対策の仕方がわからずにテストの成績が落ちてしまうことも良くあります。
うちの娘はまじめな性格なので、中学校に入ってから家庭学習をするようになりました。
しかし今まで勉強をしたことが無かったため、どのように勉強をしたら良いのかわからなかったようでした。
特に定期テストは範囲も広く、どこから手を付けて良いのかわからない状態でした。
一方息子は要領が良く、勉強の仕方はわかったようでしたが、毎日コツコツやっていないためテストの日までに範囲内の勉強が終わらない状態でした。
それでも1学期は範囲もそれほど広くないですし、内容もまだ難しくはないので2人とも大丈夫だったのですが、2学期になるとテストの範囲も広くなりますし、内容も難しくなります。
小学校のテストは単元ごとに行いますので範囲が狭く、しかも学習内容が記憶に残っているうちにテストが行われます。
範囲の広い中学校のテストには、なかなか対応できなかったようです。
壁を乗り越えるカギは、親のかかわり方
では、この「中1の2学期の壁」を乗り越えるためにはどのようにすると良いのでしょうか?
実は保護者がかかわり方を変えることで、2学期の壁を乗り越えるきっかけになることがあります。
「勉強は学校でやるもの」と考え、子どもの学習に興味を持たない方も多いかもしれませんね。
実は私もそうでした。
元気に学校に行っているし、テストでもそれほど悪い点数を取ってこないからそれでいいと思っていました。
しかし子どもの学習に親が関わることは、子どもの意欲を向上させるためには欠かせないようです。
だからと言って、子どもの成績にのみ言及するのはNG。
私は子どもが良い点数を取ってきたときだけ「すごいね!」とほめていたのですが、これもあまり良くなかったようですね。
かといって「勉強しなさい」とガミガミ言うのではさらにやる気が失われてしまいます。
では、親はどのように関われば子どもの学習意欲を高めることができるのでしょうか?
目標を決め、達成までの行動を具体的に示す
子どもの学習の意欲を高めるために親ができることの一つに、「やらなければならないことを具体的にする」ということがあります。
「やりなさい」とただ指示をするだけでは、子どもは何をすればよいのかわからずただ「うるさいな」と感じるだけです。
どうせ「やりなさい」というのであれば、何をどれだけやればよいのかを具体的に示すほうが効果的です。
そのためにはまずは子どもに目標を設定させることです。
子どもの意見を尊重しながら行動計画を一緒に考える
そして次に、目標を達成するためには、何をどれだけやればよいのかを決めます。
例えば次の定期テストに向けての目標を子どもに聞き、それを実現させるためには具体的にどの教科をどれくらい、どのようなやり方でやればよいのかを子どもと確認します。
ここで大切なのが、きっかけ作りは親が行いますが、やり方を決めるときは子どもの意見を大切にするということです。
親にやらされることよりも、自分で決めたことの方がやる気が出そうですよね。
着かず離れずで見守ってあげる
そして行動を具現化した後は、やるかやらないかはなるべく本人に任せましょう。
放任しすぎず、過干渉せず、ちょうどよい距離感でサポートをすることが大切なのかもしれませんね。
自分で問題を解決する力を身につける
小学生のころまでは、なんとなく授業の内容を暗記していれば解けるようなテストが多かったかもしれませんが、中学校に上がると、深く理解し考える力が必要になってきます。
中学生になると、自分で考えて問題を解決する力を身につけることが重要になるのです。
そしてこの力を身につけることで自分の課題を自分で見つけることができるようになり、学習意欲の向上にもつながります。
この問題解決の能力を向上させるために親にもできることがあります。
以下に例を挙げてみたので、参考にしてみてくださいね。
「今日はどんな勉強をしたの?」と子どもに質問をする
今日の学習内容を思い出して自分の言葉で伝えることで、問題解決能力が高まるのだそうです。
これならすぐにでも実践できそうですね。
会話の中に出てきた事柄に対して、質問する
子どもと会話をする中で、さりげなく「それはどうしてそうなるの?」と質問し、子どもに考える機会を頻繁に与えるようにしましょう。
答えが合っているかどうかではなく、問題に対して考えることが大切です。
これを繰り返すことで、自分で考える習慣がつくようです。
聞かれたことに対してすぐに答えない
「この漢字ってなんだっけ?」などと子どもに聞かれること、ありますよね?
そういう時はすぐには教えず、まずは「調べてみようか?」などと促してみてください。
その際どうすれば調べられるか、子どもと一緒に確認するとより効果的です。
間違いを指摘するのではなく、間違えなくなる方法を一緒に考える
間違いを指摘したところで間違いがなくなるわけではありません。次にどうすれば間違いがなくなるのか、一緒に考えることが大切です。
うちの息子は計算ミスが多いのですが、責めても仕方がないので、息子に「計算ミスが多いのはどうすれば治るのかな?」と聞いてみました。
すると、「見直しをすればいいけど、見直しをする時間がないんだよね。」と。
そこで、「じゃ、早く解くことができればいいのかな?」と聞くと、「そうだよね」と返ってきました。
そこで一緒に、問題を早く解けるようになる方法を考えました。
今はそれを実行している最中なのですが、少しずつ計算ミスが少なくなってきています。
塾にお任せしたほうが良い場合も
うちの子どもたちは中1の2学期の壁を乗り越えることができたのですが、うちの場合は恥ずかしながら親の力ではどうにもならず、塾にお任せしました。
その当時子どもたちは思春期真っただ中で親の言うことに聞く耳を持たない時期でしたし、「勉強がわからない」と聞いてきたにもかかわらず、教えると怒るということを繰り返していたためです。
中学生は難しい時期です。
親とは口もきかないというお子さんもいることでしょう。
そんなときは潔く塾にお任せするのも良い方法かもしれません。
では、塾を選ぶときにどのような点に気を付けると良いのでしょうか?
うちの子どもたちを例にあげてご紹介します。
子どもに合うやり方の塾を選ぶ
子どもたちの塾選びをした際、私が重視した点は、まず子どもたちの性格に合うやり方の塾を選ぶということです。
塾には主に「集団指導」と「個別指導」があり、それぞれにメリットデメリットがあり、子どもの性格により向き不向きがあります。
集団指導塾の特徴
集団指導塾の最大の魅力は、「レベルの高い授業内容」にあります。
さらに受験指導に関する豊富な情報とノウハウも魅力です。
集団で行うため、周りの子どもたちと切磋琢磨しあえるというメリットもあります。
しかし集団授業がメインなので、そこについていけない子どもは結局置いてけぼりになってしまうことも。
集団指導の塾は、一定の学習内容を理解する力があり、今以上の成績向上を目指したい子どもに向いています。
性格的には負けん気が強く、周囲との競争でモチベーションが上がるタイプは集団指導塾向きです。
個別指導塾の特徴
個別指導塾は、マンツーマンや、多くても2~3人に先生一人が付く形で進めていくため、オーダーメイド式の指導が受けられる点が最大の魅力です。
わからないままに授業が進んでしまうということもありませんし、わからないことはすぐに質問することができます。
しかし、塾によってはアルバイト講師が教えていたり、行くたびに違う講師がついたりする場合もあり、質は塾によってまちまちです。
個別指導塾は、部活で忙しい子どもや勉強が苦手な子ども、勉強の意欲が少ない子ども、勉強の計画を自分で立てることが苦手な子どもにおすすめです。
性格的にはマイペースな子どものほうが、個別指導塾に向いています。
うちの娘の場合、わからない問題を聞きたいというのと、勉強のやり方を教えてもらいたいという2点があり、個別指導の塾を選びました。
息子の場合は性格的にマイペースなのと、習い事も忙しかったため個別指導を選びました。
塾講師との相性が重要
親が「塾に入れよう」と考える背景には、「勉強をわかるようにしてほしい」ということだけではなく、「勉強のモチベーションを高めてほしい」という気持ちもあります。
どんな塾を選んだとしても、講師との相性が合わなければ学習意欲は上がりません。
集団指導塾の講師の特徴
集団指導塾の場合はプロ講師の場合が多く、さまざまな子どもの意欲を高めるテクニックを持っていることが多いです。
しかし性格的に合わなかった場合、講師を交代してもらうというわけにはなかなかいきません。
個別指導塾の講師の特徴
一方個別指導の塾の場合、バイトの講師がいることも多く子どもの指導が十分ではないこともあります。
しかし子どもと相性が合わないと感じた場合、担当の講師を変えてもらえることがほとんどです。
またアルバイト講師のほうが、子どもとの距離が近く打ち解けやすいという良さもあります。
塾は体験入塾をして子どもに選ばせた方が良い
どちらの塾に入れるにしても、子どもに体験をさせてみて、子ども自身に選択させることが大切です。
息子を塾に入れるときは、二つの個人塾を体験させました。
どちらも先生が一人で切り盛りする個人塾です。
一つは先生が熱血な塾。
もう一つは娘が入っていた塾。
私は熱血な塾のほうが息子のやる気が出るかと思っていましたが、体験した後に、「あそこの塾は絶対嫌だ」と言ったのです。
そこで次に娘の塾を体験させると、「あそこがいい」と。
息子は人見知りなので、あまりがつがつせずに放っておいてくれたのが心地よかったのかもしれません。
塾に入れた結果、うちの子どもたちは中1の2学期の壁を乗り越え、かなり成績が上がりました。
勉強に対する意欲が出始め、自分から勉強をするようにもなりました。
子どもたちが通っていた塾が特別な塾だったわけではなく、たまたま子どもたちに向いていたのだと思います。
親が何とかできなかったとしても、うちの子どもたちのように良い先生との出会いが中1の2学期の壁を乗り越えるきっかけになることもあります。
子どもに応じたやり方で、壁を乗り越えさせよう
現在うちの子どもたちは中3と高2です。
娘は無事に志望校に合格し、息子も志望校合格に向けて自分で計画を立てながら勉強をしています。
こんなダメ母な私の子どもたちでも壁を乗り越えることができたのですから、きっかけさえあればどんな子どもでも中1の2学期の壁を乗り越えることができるはずです。
お子さんに合ったやり方を見つけて、中1の2学期の壁を乗り越えるきっかけづくりをしてくださいね。