乾燥肌は季節を問わず、多くの女性が抱える肌悩みの1つです。30~40代になって悩まされ始めた人も多いのでは?肌の乾燥は、しわやたるみ、毛穴の開きといった、様々な肌トラブルにも繋がってしまいます。原因やケアの方法など、乾燥肌の基本知識を紹介します。
乾燥肌の特徴
乾燥肌とは、どのような肌のことをいうのでしょうか?
一般的には、肌がうるおいをキープする機能が低下してしまい、肌が本来必要とする水分や油分を保てなくなった状態を指します。
乾燥肌に多い悩み
乾燥肌にありがちな悩みといえば、肌のかさつきやつっぱり感、かゆみなどが挙げられます。
さらに乾燥が悪化すると、他にも様々な肌悩みを引き起こしてしまいます。
- しわ、たるみ
- くすみ、しみ
- 毛穴の開き
- ニキビ
- ゆらぎ肌、敏感肌
乾燥によるおでこのしわが気になる人は、こちらの記事もどうぞ!
乾燥がすすむと敏感肌になってしまうことも…!敏感肌についてはこちら。
乾燥肌の7つ原因
乾燥肌は、生活環境をはじめ、様々な原因によって引き起こされます。
肌のバリア機能の低下
肌の角質層には、うるおいを守る成分がいくつか存在しています。これらが減ってしまうと、肌細胞内で水分を保つことが難しくなり、肌の乾燥やバリア機能の低下を招きます。
セラミド
角質層で細胞同士のすき間を埋める「細胞間脂質」という物質の一種です。角質の水分の約80%を守っています。
天然保湿因子(NMF)
アミノ酸などから生成されている、水分保持力に優れた成分です。角質の水分の約18%を守っています。
1.ターンオーバーの乱れ
角質層のセラミドや天然保湿因子(NMF)は、肌のターンオーバーによって作られます。
ターンオーバーのサイクルが、紫外線や加齢の影響、睡眠不足やストレスなどが原因で乱れてしまうと、これらの成分がうまく作られず、乾燥が進んでしまいます。
2.加齢
肌の皮脂量は、20歳を過ぎるとどんどん減少していきます。
また、肌内部のセラミドの量も、20代をピークに減っていってしまい、50歳の時点では、20歳の頃の約半分にまで減少してしまうことが分かっています。
3.紫外線
紫外線を浴びると、肌のバリア機能が低下してしまいます。
また肌表面で角質が厚くなることでターンオーバーの周期が乱れ、乾燥肌を悪化させてしまいます。
4.空気の乾燥
空気が乾燥する冬は、肌の乾燥が特に気になる季節です。
一方、夏もクーラーが効いた部屋は乾燥しているので、乾燥肌のリスクは1年中あるといえるでしょう。
5.間違ったスキンケア
肌質に合わないスキンケアや、間違った知識によるスキンケアを続けていると、乾燥肌を悪化させてしまいます。
皮脂や毛穴、ニキビが気になる肌でも、肌の内部が非常に乾燥している可能性があります。
6.生活習慣の乱れ
寝不足などの不規則な生活やストレスが続くと、肌のターンオーバーを乱してしまいます。
また偏った食生活や、血行不良を招く食べ物にも要注意です。
7.こんな食生活に注意!
- インスタント食品やコンビニ食品に頼りがち
- 肉中心で野菜を食べる量が非常に少ない、もしくはその逆
- 野菜は主に、サラダのような生野菜で摂っている
- お酒やカフェイン飲料をよく飲む
- 健康のため、油を摂取しないようにしている
乾燥肌におすすめの洗顔方法
間違ったクレンジングや洗顔は、乾燥肌を悪化させてしまいます。正しいケアの方法を知っておきましょう。
クレンジング・洗顔のポイント
洗浄力が強すぎるアイテムはNG
オイルタイプのクレンジング料や、濃いメイクを簡単に落とせるもの、濡れた手でも使えるタイプのクレンジング料は、洗浄力が強く、セラミドのような細胞間脂質まで洗い流してしまいます。
クレンジング料のおすすめは、ミルク、クリーム、バームタイプのものです。
洗顔料のおすすめは、固形石鹸です。添加物が少ないので刺激が弱く、肌にうるおいを残しながら洗う事が出来ます。
洗顔に時間をかけすぎない
クレンジング料や洗顔料が肌に触れ続けていると、肌に余分な刺激を与えてしまいます。
メイク落としから洗顔までは、大体2分以内で済ませましょう。
肌の乾燥を防ぐ工夫
洗顔には、36度程度のぬるま湯を使い、顔を拭くときは、柔らかいタオルで優しく押しあてるように拭きましょう。
水分が顔に残っていると、乾く時に肌内部の水分も一緒に蒸発してしまうので要注意です!
乾燥肌の洗顔方法については、こちらも参考にしてみてください。
乾燥肌におすすめのスキンケア方法
乾燥肌を改善するためには、まずは基本的な保湿ケアで肌のうるおいを高めましょう。
化粧水のポイント
セラミド&NMF不足を補給
乾燥肌の原因は、肌内部でセラミドやNMF(天然保湿因子)の量が減少してしまうことだとお伝えしました。
この2つの働きは、化粧水で補うことができます。
なかでも、角質層のセラミドとほぼ同じ構造を持つ「ヒト型セラミド」は、浸透力が高く、刺激が少ないのでおすすめです。
- ヒト型セラミド:セラミド1,2,3…と番号で表示されています。特に、バリア機能が高いセラミド1や、保湿力に優れたセラミド2、ターンオーバーを促すセラミド5、6などがおすすめです。
- アミノ酸成分:NMF(天然保湿因子)の働きを補うことができます。アルギニン、リシン、グルタミン酸、グリシン、セリンなど。
おすすめのセラミド美容液、効果的な使い方はこちらの記事からどうぞ。
ほかにも、以下のような保湿成分もおすすめです。
コラーゲンやエラスチンは肌のハリを保つのに大事な成分かつ、不足すると乾燥肌のもとにもなるので、スキンケアで補うようにしましょう!
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- エラスチン
- EGF (ヒトオリゴペプチド)
- グリセリン
など
つける時は手を使って
手のひらであたためるようにしてから優しくなじませることで、化粧水が浸透しやすくなります。
美容液のポイント
化粧水同様、美容液も保湿力が高いセラミド入りのものがおすすめです。
セラミド入りの美容液については、こちらも参考にしてみてください!
乳液・クリームのポイント
乳液やクリーム類には、肌の水分の蒸発を防ぐフタのような働きがあります。
保湿力を高めるためにも、スキンケアの仕上げに使うようにしましょう。
日焼け止めのポイント
紫外線は乾燥肌の原因になるので、UVケアは一年中必須です。
日常生活では、SPF20程度のもので十分です。
UV機能がついたミネラルファンデーションは、肌への負担が少ないのでおすすめです!
乾燥肌がやってはいけないNGケア
乾燥肌を悪化させないために、避けるべきケア方法を知っておきましょう!
洗顔や皮脂ケアのしすぎ
肌の内部が乾燥しているインナードライの人がやりがちなのが、この間違ったケアです。
肌は乾燥すると皮脂を余分に分泌するので、肌表面のテカリや毛穴、ニキビが気になりはじめます。
これを改善しようと、1日に何度も洗顔したり、オイリー肌用のスキンケアを使い続けることで、乾燥がどんどん悪化してしまいます。
コットンパックやシートマスク
スペシャルケアとして効果的ですが、長く放置しすぎると、逆に肌の水分を奪ってしまうので、注意が必要です。
コットンパックは1~3分程度を目安に、市販のシートマスクは使用方法を確認してから使うようにしましょう。
乾燥肌を改善する生活習慣
乾燥肌は、スキンケアに加えて、食事やその他生活習慣を見直すことでも改善が可能です。
乾燥肌を改善する食事
健康な肌作りに欠かせない、ビタミン類を中心に、栄養バランスのとれた食生活を心がけましょう。
以下、おすすめの栄養素と食材を参考にしてみてください!
ビタミンA
皮膚や粘膜を作り、肌のターンオーバーを助けます。
- 緑黄色野菜(かぼちゃ、ほうれん草、ブロッコリーなど)
- 鶏、豚レバー
ビタミンB群
肌のうるおいを保ち、ターンオーバーを助けます。
- 豚肉
- 大豆
- 魚(かつお、まぐろなど)
ビタミンC
肌内部でコラーゲンを生成し、抗酸化作用やエイジング効果に優れています。
- 果物(アセロラ、レモン、キウイなど)
- 緑黄色野菜(ピーマン、ほうれん草、ブロッコリーなど)
ビタミンE
血流を促進し、肌のターンオーバーを助けます。
- ごま油
- ナッツ類
- アボカド
たんぱく質
体づくりに欠かせない成分で、肌のターンオーバーを助けます。
- 卵
- 赤身肉
- 乳製品
必須脂肪酸
体内で合成できない、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸を指します。肌のターンオーバーを助けます。
- 青魚(さば、いわしなど)
- 油(ごま油、コーン油など)
亜鉛
体内に存在するミネラルの一種で、肌のターンオーバーを助けます。
- 牡蠣
- ゴマ
- 牛肉
代謝を高める生活
適度な運動やストレッチをして体の代謝を高めることで、肌のターンオーバーを活発化させることができます。
クーラーやエアコンの使い方
クーラーやエアコンはつけっぱなしにしてしまうと、空気を乾燥させてしまいます。
オンオフをこまめにしたり、加湿器を使ったりして対策しましょう。
乾燥肌のケアのポイントは保湿ですが、それに限らず、食事や生活習慣で肌のバリア機能や代謝を高めていくことも大切です。
念入りにケアして、若々しいうるおいあふれる肌を手に入れましょう!