子どもの前で夫婦喧嘩をすると子どもに悪影響があるってご存知でしたか?夫婦の間で価値観の違いなどを感じてお互いに対する不満が募ることがあります。そこで今回は、夫婦喧嘩を防ぐ方法や、夫婦喧嘩で子どもに悪影響を与えないための方法をご紹介します。
夫婦喧嘩が子どもに与える影響
子どもとは違い、夫婦はもともと赤の他人です。
過ごしてきた生活環境が違うため、価値観が違っているのも当たり前です。
どんなに仲の良い夫婦でも、時には喧嘩になってしまうこともあるのではないでしょうか?
夫婦喧嘩をしてしまった後に気になるのが「子どもへの影響」ですよね。
実際私も子どもの頃に、親が喧嘩をしているところを見て不安な気持ちになったことを今でも覚えています。
そのことを考えても、夫婦喧嘩が子どもに与える影響は大きいことが想像できますよね。
強いストレスでトラウマになってしまう
人が大きな声で怒鳴りあったり言い争いをしているところを見ると、それが知らない人だったとしても不安な気持ちになったり緊張したりしますよね。
これが知っている人、しかも自分の両親だったとしたらその不安は計り知れないほど大きなものになるのではないでしょうか。
特に小さな子どもにとっては、家の中での両親との生活がすべてです。
両親の喧嘩で受けた緊張や不安は自分の心の中にしまい込むしかなく、少しずつ蓄積され、トラウマとなることがあります。
そしてこれがひどくなるとPTSDの症状を引き起こすことがあります。
PTSDの症状
- 腹痛や頭痛、眠れないなどの身体的な症状
- パニックやヒステリーを起こす
- 不登校、赤ちゃん返りなど精神的に不安定な状態になり、コミュニケーションをとることが難しくなる
- 摂食障害、自傷行為
夫婦にとってはそれほど深刻な喧嘩ではなかったとしても、子どもにとってはトラウマになるほどの不安を与えていることも考えられます。
夫婦喧嘩の後に子どもの様子がおかしいときは、夫婦喧嘩の影響が考えられますので、しっかりと子どものフォローをすることが大切です。
体の成長を阻害する
大人でも、悩みや心配事があるときに眠れなくなることがありますよね。これは子どもも一緒です。
両親の夫婦喧嘩により不安を感じると、子どもはよく眠れなくなってしまうことがあります。
睡眠は子供の成長にとって大切なものです。
睡眠中には成長に欠かせない「成長ホルモン」が分泌されます。しかしこの成長ホルモンは、質の良い睡眠をとらないと分泌量が減ってしまいます。
両親の夫婦喧嘩で心が乱れ、よく眠れないことが続くと成長ホルモンの分泌が妨げられ、体が大きくならない可能性があるのです。
精神面だけではなく、身体面においても夫婦喧嘩は悪影響を及ぼすのです。
自己肯定感が低くなる
自己肯定感が高いと、自分のことを好きになり、自分に自信が持てるようになります。
両親の愛をたくさん感じて育った子どもは自己肯定感が高くなる傾向があります。
自己肯定感が高い子どもは、精神的に安定しており困難にも負けずに人生を歩んでいけることが多いようです。
しかしいくら両親が子どものことを愛していても、喧嘩ばかりしていると、子どもはどうして両親が喧嘩をしているのかわからないため、自分のせいで喧嘩をしているのではないか?と疑うことがあります。
そうすると、「自分なんて生まれてこなければ良かった」と自己否定してしまうことになり、自己肯定感が低くなってしまうのです。
乱暴になる
両親の喧嘩をそばで見ていることは、子どもにとって大変なストレスになり、その状態がずっと続くと子どもの心はこわれてしまいます。
それを防ぐために子どもは何らかの防衛反応を示します。その一つが「暴力」です。
自分にとってストレスになっているものを越える行動をとることで、ストレスから心や体を守ろうとするのです。
家の中だけではなく、外でも暴力的になります。
そのためお友達とうまくいかなくなり、学校では先生に叱られることも多くなってしまいます。
そうすると、さらにストレスがたまりさらに暴力的になるという悪循環になってしまいます。
将来の結婚や恋愛に悪影響を及ぼすことも
子どもは親の背中を見て育ちます。
そのため両親が喧嘩をする姿をいつも見せられてきた子どもは結婚に対して良い印象を持つことができません。
もし結婚できたとしても、子どもも親と同じように喧嘩の絶えない結婚生活を歩む可能性が高くなります。
また異性と付き合うこと自体がトラウマとなってしまい、異性に興味を持つことができなくなってしまうこともあります。
夫婦喧嘩を防ぐためには
子どもに多大な悪影響を及ぼしかねない夫婦喧嘩。なるべくなら避けたいですよね。
では夫婦喧嘩を避けるためにはどのようにすると良いのでしょうか?
夫婦間のコミュニケーションはしっかりと
夫婦喧嘩は主に価値観の相違から始まります。
そのため日ごろからしっかりとコミュニケーションをとることが大切です。
お互いに忙しいと、なかなかゆっくりと話をする時間が取れないかもしれませんが、その際は以下のことを意識しながらコミュニケーションをとるようにしてみてくださいね。
不満の原因を明確にする
夫婦喧嘩はお互いの不満がたまったときにおきます。
そのため、日ごろから不満をため込まずに伝えることが大切です。
お互いに気持ちを分かっているつもりにならずに、不満の原因を明確に伝えるようにしましょう。
不満を伝えるときは、感情的にならずにできるだけ冷静に伝えるようにしてくださいね。
また「~してくれると嬉しい」と、何をして欲しいのかを同時に伝えるといいですね。
正直に話す
何か悩みや問題があるときは、隠さずに率直に伝えるようにしましょう。
衝突を恐れて話し合おうとしないのもいけませんし、相手に攻撃的な言い方をするのも良くありません。
考えていることをありのままに正直に伝えるようにしてください。
これらのことに気をつけながらコミュニケーションをとるようにすると、時間がない中でもお互いの気持ちを知ることができ、気持ちがすれ違うことが少なくなるのではないでしょうか?
問題がたくさんあり話し合う時間が足りないときは、話し合いたい内容に優先順位をつけておくといいですね。
育児スタイルの違いをよく話し合う
子どもがいる夫婦は、子育てに対する考え方の違いから喧嘩をすることも良くありますよね。
子育ての考え方は、自分の育ってきた環境や価値観が表れやすいポイントの一つです。
そこで普段から子育てについて意見を交わしあうようにしておきましょう。
ニュースや新聞の話題の中から、「私はこう思う」ということを日ごろから伝えておくのもいいかもしれませんね。
そうすることで、いきなり育児に対するスタンスの違いがあらわになり困惑するといった事態は避けられるかもしれません。
細かい違いは見て見ぬふりを
家庭に摩擦はつきものです。
特に夫婦はもともと他人のわけですから、違いがたくさんあるのは当然です。
その違いにいちいち目くじらを立てていては、喧嘩が絶えなくなるのも当然ですね。
どうしても譲れないライン以外は、なるべく目をつむるようにしましょう。
特にあらさがしや揚げ足取りのような言動は、相手の感情を逆なでし、夫婦喧嘩が余計にこじれるので、慎むようにしましょう。
些細な喧嘩を減らすために
例えば我が家は、夫がたまに洗濯物を干してくれるのですが、その干し方が私は毎回気になっています。
でもやってくれないよりはいいので、そこは見なかったことにして黙って直しています。
私にとっては家事の手伝いを何もしてくれないことの方が問題なので、やり方はさておき、やってくれた時は細かいことには目をつむるようにしているのです。
自分にとって、最も我慢できないことは何かをよく考えたうえで意見を伝えるようにすると、不要な喧嘩は減るかもしれないですね。
二人きりで過ごす時間を作る
子どもができると、子育てに追われてなかなか夫婦だけの時間は取りにくいですよね。
でもこのことがさらにコミュニケーション不足に拍車をかけることになります。
普段なかなか話す機会を持てない場合は、可能であれば二人きりで過ごす時間を作るようにしましょう。
ほんの1~2時間でも大丈夫です。おいしいランチやディナーを二人で楽しむのもいいですね。
子どもがいない時間を二人で楽しむことで日ごろのストレスから解放され、リラックスでき喧嘩も少なくなるのではないでしょうか?
より良いコミュニケーションのために
コミュニケーションを良くとることが、夫婦喧嘩を減らすポイントです。
とは言っても、コミュニケーションの取り方を間違えてしまうとさらに喧嘩が増えてしまうことも。
では、より良いコミュニケーションを取るにはどのようなことに気を付けると良いのでしょうか?
疲れているときの話し合いは避ける
何か話し合いたいことがあったときは、疲れているときは避けましょう。
疲れているとイライラしがちになり、冷静な話し合いが難しくなってしまいます。
私も疲れているときや生理前はイライラすることが多く、普段は気にならないことにも怒ってしまうことがあります。
良いコミュニケーションをするためには、自分や相手の状態を見て、万全な状態の時に話し合いをするといいですね。
落ち着いた場所、時間を見つけて話し合う
良いコミュニケーションのために話し合う場所や時間帯も大切です。
例えば子どもが騒いでいる家の中では、子どもに気を取られてしまい話し合いに集中できませんよね?
また朝の忙しい時間帯ではじっくりと話し合うことはできません。
ゆったりとした気持ちで話し合える場所と時間を見つけて話し合うようにしてくださいね。
過去の出来事を蒸し返さない
何かについて話し合うときは、今起きている問題だけを話し合うようにしてください。
今の問題を話し合っているうちに昔のことを思い出し、「そういえばあの時も…。」と言いたくなることもあると思いますが、そこはぐっとこらえるようにしましょう。
相手の話に耳を傾ける
自分の意見を言うことに夢中になり、相手の意見に耳を傾けないと喧嘩につながります。
これは息子の学校での出来事なのですが、ある行事の準備でリーダーの子とクラスの子がもめたことがありました。
お互いが自分の意見ばかりを主張し話し合いは平行線をたどったようです。
そんな中一人の子がリーダーの子に、リーダーの子の気持ちを汲み取りつつ意見を言ったのだそうです。
そこから険悪なムードは終息しました。
このことからもわかるように、自分の意見だけを主張すると険悪なムードになります。
しかし相手の話にも耳を傾けることで、冷静に話し合え喧嘩になることが少なくなりますね。
言い負かそうとしない
話をしていて意見が食い違うと、相手を言い負かそうとしたくなってしまうことがありますが、これは夫婦喧嘩の元です。
もしも意見が食い違っていても、「でも」ということを極力減らし、「ふーん」と聞き流すようにできるといいですね。
どうしても譲れないところは主張をするほうが良いですが、その場合でも「言い負かそう」という気持ちではなく、自分の思いを分かってもらうために伝えるという気持ちで話をすると、冷静に話ができるかもしれませんね。
携帯のメッセージ機能で話をする
自分の思いを相手に伝えるときは、「私がこう思うから、こうして欲しい」という「文章」を、スマホなどで伝えるようにすると、相手に悪い印象を持たれにくいです。
これは夫婦の会話だけではなく、子どもとの会話にも使えます。
「あなたがこれをしてくれないからいやだ」と怒るよりも、「私はこれをしてもらえないと困る」と伝えるほうが角は立ちません。
喧嘩をするなら良い喧嘩の仕方をする
いくら気を付けていても喧嘩が避けられないこともありますよね。
ストレスがたまっていたり疲れたりしているときは、イライラしがちでついつい喧嘩になってしまうこともあります。
では子どもになるべく悪い影響を与えないように喧嘩をするためにはどのようなことに気を付けると良いのでしょうか?
なるべく子どもの前ではしないように気を付ける
喧嘩になりそうなときは、なるべく子どもの前で喧嘩をすることは避けましょう。
子どもが寝静まってから喧嘩をするようにしてください。
子どもがいる前で喧嘩になりそうな話題をふらないように気を付けると、子どもの前で夫婦喧嘩を避けられるかもしれませんね。
相手の悪口を言ったり非難したりというような喧嘩はしない
喧嘩をする場合は、意味のない喧嘩はなるべく避けましょう。
夫婦が一緒に生活していると、意見の衝突は避けられませんが、どんなに意識していても、喧嘩になってしまうこともあるでしょう。
しかしそんな時は相手のことを非難するような言動は避けてください。ただのいがみ合いで終わってしまいます。
意見の衝突の末に、問題への解決策が見いだせるような喧嘩ができるといいですね。
仲直りはしっかりと
もし子どもに喧嘩の場面を見られてしまった場合は、仲直りをしている姿もしっかりと見せるようにしてくださいね。
そうすることで子どもも安心することができます。
喧嘩の後は必ず仲直りをするようにすると、子どもも両親の喧嘩がストレスになることは少なくなりますし、意見が衝突しても仲直りの方法を学ぶことができますね。
夫婦喧嘩の後は子どものフォローはしっかりと
夫婦喧嘩を子どもに見られてしまったときは、子どもへのフォローをしっかりと行いましょう。
子どもを抱きしめて、「あなたのことが大好きだよ」と伝えてあげるようにしてくださいね。
そして、夫婦喧嘩の原因はあなたのことではないと伝えてあげると安心します。
子どもに悪影響を与えない喧嘩の仕方を
いかがでしたか?
家に子どもがいると、子どものことを思うからこその喧嘩も増えていきますよね。
喧嘩を避けるためには夫婦間のコミュニケーションが大切ですが、子どもがいるとなかなか思うとおりに時間が取れないこともあるでしょう。
そんな時は、なるべく子どもを不安にさせるようなけんかの仕方は避けるように気を付けてくださいね。
もしも喧嘩になってしまったときは、「雨降って地かたまる」というような前向きな夫婦喧嘩を目指してくださいね。